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追い込まれた男たち

去年のレースですがせっかく書いたのでアップします。


登場人物
良隆 猫シャチョー バイク屋さん
将人 バケモノ
もっこす ヘタレなAクラスライダー


2012 北海道XCシリーズ最終戦HOP大会に参加してきた。
今シーズンは全6戦行われたが僕は6月の夕張大会以来の久し振りの参加だ。
会場のHOPは曇り。そして冷たい風が吹いていた。
レースは2時間耐久レース+ファイナルクロスで行われ、2レースの合計タイムで順位が決まる。

トランポからCRFを下ろすと横には今年Bクラスで参戦を始めたRYOがいた。
「白と黒のゼッケン。。。?もっこすさん、ファンクラスで走るんですか?」と聞いてきた。
ちょwww おめーより上のAクラスで走るんだよ。
今までまともに同じレースを走ったことは無いとはいえそのセリフは許さんw
(ファンクラスは白地に黒文字、Aクラスは黒地に白文字)
Bクラスを走る気分屋トミーも「今日はもっこすさんに勝ちますよ」と挑戦的なセリフを吐く。
確かに今年は夕張1戦しか出ていないのでランキング上は下から数えた方が早い。
でもこいつらには負けられねえ。

良隆は追い込まれていた。
今年出たレースは優勝や2位などかなりいい成績を残してきた。XCシリーズランキングも現在トップだ。
しかしあのバケモノも順調に好成績を収め、奴はランキング2位につけていた。その差は10点。
奴に先行されたらひっくり返されてしまう。
1シーズン必死で走ってきたがランキング争いは今日の最終戦までもつれ込んでしまったのだ。
良隆は負けられなかった。

バケモノは追い込まれていた。
今年出たレースは高見さんに勝ったのもあれば負けたレースもあった。
スピードでは彼に優っていたが結果が付いていかなかった。
そして迎えた最終戦。高見さんの前でゴールすればランキング1位の座を奪うことが出来る。
将人は今日のレースに優勝するしかなかった。
この日のために高い走行料を払って練習走行までやったのだ。
負けるわけにはいかない。何も起きなければ高見さんの前でゴール出来るはずだ。
しかしこのHOP大会はモトクロスコースとその周辺を使ったコースだ。ここでのレースにだけ出て来るバカっ速モトクロスライダーも出ている。
その何かが起きる可能性もある。将人は決して安心は出来なかった。

モトクロスコースのスターティンググリッドにSA、A、B、ファンクラスの順に4列が並んだ。
爆音を上げて最速のSAクラスがスタート!
フルグリッドに並んだ20台のバイクが一斉に第一コーナーに突っ込んで行く。モトクロスコースは整備が入ったばかりでギャップなどは無く真っ平らで全開で行ける。
僕はここのコースは好きだ。北海道 XCシリーズの中で一番と言っていい。
苦行にも近い他のレースとは違って楽しく走れる。まあ、速いかどうかは別だがw
スタートの幅はかなり広いし第一コーナーも3速、4速の高速コーナーだ。
パワーがものをいう砂のコースだ。非力なCRF250Xならアウトアウトでスピードを落とさずに回った方がいいだろう。
そしてAクラス。僕はややアウト側に陣取った。
そして旗が振られ10台がスタート。スタートは悪くなかった。が、良くもなかった。

団子状態で走っているとテーブルトップジャンプで頭の上からから抜いて行く奴がいた。将人だった。
あれ、奴がこんなところ走っていたなんて。スタート出遅れたのか。
12Hop2096.jpg

などと思っていたら右コーナーでアウトからカシラ が抜いてきた。
ええ?モトクロスコースでカシラにあっさり抜かれた。速い。
コースはモトクロスコースを離れ、林道に入った。
突然目の前が黄色一色になった。ここは紅葉の世界…
あまりの美しさに一瞬レースということを忘れてしまった。いかんいかんアクセルを開けなきゃ。
僕は黄色とオレンジの空間を突っ走っていった。
158243857_6241351493600.jpg

今日のレースは勝つしかない。
こういうコースに慣れたモトクロスライダーもいる。厳しくなるだろう。
キャメルバッグの水も飲む暇ないかもしれない。今のうちに咥えておこう。
将人は胸付近に垂れ下がったキャメル バッグの飲み口を探して下を向いた。
その時周りのバイクが一斉に走り出し、将人一人を置いて行った。
しまったあ!スタートの合図を見逃した!
慌ててスタートして必死で追いかけた。何やってんだおれは!
今日のためにケガしてしまうくらいにモトクロスの練習をやったのに!
目の前のバイクを次々と抜いて行った。遠慮している暇なんて無かった。
テーブルトップジャンプでは前を走るもっこすさんの上に着地しそうになった。
追いかけろ。高見さんに追いつくんだ。

ホールショットは2ストニーゴーのパワーを生かし良隆が奪った。
モトクロスライダーに抜かれたが今日も調子が良かった。赤ゼッケンを抜けるくらいに調子良かった。
コース後半で突然追い抜いてきたのは将人だった。
速い。将人はみるみる間に小さくなっていく。
やっぱり来たか。しかしまだレースは始まったばかりだ。焦ることはない。
良隆は冷静だった。


コースは狭い狭いウッズに入って行った。もうハンドルを通すのがやっとの上に根がたくさんだ。
こ、こんなん苦手じゃあ。
ここは我慢の区間…竹さんがスルリと抜いて行く。
あれ?誰か転んでいる。赤ゼッケン…?
やっとウッズから解放されたらHOP裏の林間コースに出た。
好きなコーナーが続いているがなんかイマイチ乗れていない。バイクが重たく感じる。う~ん。
そして新しく出来たフラットコースに突入。
ロードタイヤでも走れそうなくらいに平らなコースは走りやすいが気を抜くとズルリと滑る。
ふと後方を見ると1分後にスタートしたBクラスの先頭集団が来ていた。ヤバッ。
また林間コースに戻り、ギャップだらけの林道を走るとHOP外周路に出た。
砂の直線路をアクセル全開で走ると突然尖ったギャップ発見!
ああ!このトンガリギャップはこのまま行けば前転する!フルブレーキでなんとかやり過ごした。
ふう、危なかったと思いつつまたその直線を再加速した。すると、ああ!まただ!
危うく前転。気を抜いたところにまた現れるなんて罠かよ!
HOP外周コースの一番いやらしい部分のスネークコーナーには数台が絡んでいた。ふう、これで1周か。
モトクロスコースはいいとしてあのクネクネウッズがたまらんなあ。
12Hop2835.jpg

将人はスタートで出遅れてしまったが、1周目で全てのAクラスのライダーを抜き去った。
もっともっとアクセルを開けるんだ。
調子良く走っていた将人だったがウッズで木に激突してしまった。
転倒は免れたがアクセルが戻らなくなってしまった。これでは走れない。
将人は林道に出たところでコース脇に止まって仕方なく修理を始めた。
将人の横を今まで追い抜いたライダーが次々と通り過ぎていく。
高見さんがどんどんと逃げていく。将人は焦っていた。

林間コースの手前の高速道路トンネル下に将人が止まってる?バイクを壊したのか?
つくづく運が無いやつだ。夕張では工具を貸してあげたが今回は自分で工具を持って走っているようだ。
しかしかなりのタイムロスになるだろう。これで早くも高見さんとの勝負は決まったか?

今回のコースはモトクロスコースと新フラットコース以外はギャップ出来まくりでとても座っては走れない。
ヒーコラいいつつ走っていると竹さん+KTM250EXC-Fがグワァー!と抜いていった。おーアクセル開けてるなあ。
リンク無しリヤサスでも速いんだ←てめーが遅い
モトクロスコースでは頑張って竹さんを抜いた。しかしまたウッズで抜かれる。
みんなどうしてあんなスピードで狭いウッズを走れるんだ?←てめーが遅い
umiちゃんもウッズで抜いていった。

モトクロスコースに大きめのテーブルトップジャンプがある。
中間がややえぐれているのでちょっと怖いがこのまま飛ばずに終わるのはもったいないのでアタックしてみた。
手前の左コーナーを2速で回り、すかさず3速に上げてブワンッ!と飛んだ。
飛んだ瞬間にヤバイと確信。遥か下方を着地すべき地点が通り過ぎていく。
ぐわっしゃん!と平地に着地。次の右コーナーも飛び出そうになる。ひーやばかった。
しかし距離感が分かったからこれで次からは飛べるぞ。
1周が長いから飛んだからってそんなにタイム短縮にはならないけど、気持ちよく走りたい。

ウッズでズバッと抜いてくるバイクがいた。
内山裕太郎選手だ。速い!
もう周回遅れになっちまった。
赤ゼッケンが次々と抜いてくる。まったく次元が違う…。

ガソリンが減って軽くなってくると同時にやっとバイクに乗れてきた。
1.5時間が過ぎたところでガソリン給油。ちょっと入れ過ぎたか。
一気に重量が増えたらまた乗りづらくなってしまった。
あと3周くらいか。頑張ろう。
とうとうBクラスのライダーに抜かれた。元気だなあ。
外周路の直線を用心しながら走っていると気分屋トミー+YZ250が抜いてきた!
ええ!トミーが来た?このまま離される訳にはいかない。ぴったり彼の後ろにつける。
見ると、奴はまるで遊びながら走っているようだった。まだまだ甘い。
2周後ろを走ったところで彼を抜いた。負ける訳にはいかなかった。
12Hop2834.jpg

レースも後半に差し掛かった。燃費が悪い2ストYZ250に乗っているが良隆はビッグタンクを付けて無給油作戦だ。
給油だけでも1~2分タイムロスしてしまう。
前を走るモトクロスライダーはややペースを落としたのか良隆は余裕で後ろについていけた。
チャンスがあれば抜ける。

将人は必死で追いかけた。見えない高見さんの背中を追いかけた。ピットのサインが無ければ給油を忘れてしまうほどだった。危うくガス欠リタイヤになるところだった。
レースは残り僅か。
高見さんが見えた。追いついてやる!
将人はさらにアクセルを開けた。

もうじき2時間の耐久レースのゴールだ。チェッカーフラッグが見える。もう1周回れるか…? 
トップが2時間を経過した時点でゴールになる。僕はそのままチェッカーを受けた。
まだトップ以外数台しかゴールしていなかった。Aクラスの他のライダーたちはもう1周走っていることだろう。
バイク数台がバトルしているのが見えた。
あれはAクラスのトップたちだ!ええ、2時間走ってほとんど差が無いの?
結局トップ4台が連なってゴールした。熱すぎるw

次はファイナルクロスだ。風は段々と強まり風も冷たくなってきた。アナウンスする春木さんも辛そうだ。
しばしの休憩の後、モトクロスコースだけを使ったファイナルクロスが始まった。
最初はファンクラス、レディスクラス、そしてBクラスの混走だ。下見の1周の後、スタート!
速い!トップの走りなんてまるで上位クラスだ。

そして本日最終レース。AクラスとSAクラスとの混走だ。
下見の1周は僕が最初に飛び出した。おー気持ちいい!一気に気分が高揚するのが分かる。
フラットなコースは開け開けで走れる。2時間耐久はしょぼい走りだったがイケルかも…?

良隆は追い込まれていた。
将人とのランキング争いは2時間耐久では勝負がつかずこのファイナルクロスまで持ち越した。
モトクロスコースでは圧倒的に将人の方が速かった。このままでは負けるのが目に見えている。
ジャンプを飛ばなくては。
あのテーブルトップジャンプを飛ぶか飛ばないかで2~3秒違ってくる。
1周が長い2時間耐久レースの時には安全第一で飛ばないでいたがもうそんなことはいっていられない。
下見の1周で、追い立てられるように、良隆は飛んだ。
そして頭から着地してしまった。
何がなんだか分からない。
痛くて体が動かない。
目も見えない。
顔面を打ったか。
足も動かない。
なんてこった。

良隆は歯を食いしばり、バイクを起こしてとりあえず車まで戻った。
ヘルメットを脱ぐと顔が腫れてくるのが分かった。足も痛くて歩けない。
終わった。もうレースは終わったと良隆は確信した。こんな状態で走れる訳がない。
1シーズン頑張って走り続けていたがこんな結果に終わってしまった。
絶望が良隆を襲った。

下見の1周を終えたバイクたちがスタートラインに並ぶ
。2時間の成績順にゼッケンを呼ばれ、好きなスタート位置を選ぶことができるのだ。
残念な結果だった僕が呼ばれたのはほとんど最後wギチギチなグリッドにまともなスタート位置は残っていなかった。
30台近いバイクがエンジンを空ぶかしする。一気に緊張してくる。もうすぐスタートだ。
スタートに遅れたのか1台のバイクがスタートラインにやってくる。あれ?高見さん?

スタート時間が迫っている。
1年間頑張ってきたんだ。ここで諦める訳にはいかない。こんな終わり方をする訳にはいかない。
良隆は腫れた顔をヘルメットに押し込み、痛い足を引き摺りつつ、意地だけでスタートラインへ向かった。

日章旗が振られた!フルグリッドのバイクが一斉に左第一コーナーを目指す。
僕は前後ドリフトしつつアクセル全開な数十台のバイクに囲まれていた。
「こえ~!」
下手にアクセル緩めたら踏み潰されそうだ。
団子状態から少しづつバラけてくるとホッとする。
右ヘアピンをインからくるりと回るとそのままスピン…最下位になってしまった。情けねー
158329370_621602858.jpg
気を取り直して再スタート。後は抜くだけだからいいもん。←抜けるのか
ファイナルクロス効果とでも言おうか、さっきまでと全然走りが違うのが自分で分かる。
あれだけ重たく感じたバイクがヒラヒラと軽快に操れる。
楽しい。楽しいともっとアクセルを開ける。もっと楽しいという相乗効果。
おおっ!前方に転倒者数台!ん?将人?ということは…?
158333893_62451608148.jpg


結局数台抜いてあっという間の4周は終わってしまった。
いや、やっぱり楽しいわファイナルクロス。これだけ10回やってくれんかなw
トランポに戻ると高見さんが椅子に座っていた。
その顔は腫れ、出血もしていた。何が起きたんだ?
話を聞くと、負けず嫌いな高見さんの意地がもたらした結果だというのが分かった。
将人が、バイクを置くなりチームスピードのテントに駆け寄っていくのが見えた。
将人は調子良く走っていたが転倒した聖治さんを避けきれず思いっきり轢いてしまったと青ざめていた。
聖治さんの無事を確認したらホッとしたらしい。

色々な思いが交錯したレースだった。
僕はBクラス数台に抜かれたがなんとか高見道のBクラスの2人には勝ててホッとした←レベルが低いw

そして表彰式
158336273_621351606312.jpg
僕は5位。将人が4位。そして3位が高見さん。

これで高見さんがAクラスの年間チャンピオンになった。
将人はランキング2位。
まさか最終戦の最後のレースのゴールまでもつれ込むとは。
1年間戦って最後の数秒で決まるとは当人たちも思いもよらなかっただろう。
本当にレースは最後まで分からない…


みなさんお疲れ様でした。
熱い2012シーズンでした。
2013年もドラマを期待しています。

写真はRUNARUNAさんと
大森さんです。
ありがとうございます。

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