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2010 北海道XCシリーズ第4戦TSE大会 参戦

7/11に 北海道XCシリーズ第4戦TSE大会に出た記事をやっと書き上げました。

会場近くのパーキングに車中泊し、翌朝5時に起きて6時前に会場のグリーンピア大沼に着いた。
天気予報は外れ、空にはチラホラと青空が見えていた。
会場はグリーンピア大沼。敷地内の大きなホテルの横を通り過ぎ山の奥へと進んで行くと細長いピットが現れた。
幸い我々は早くに着いたので良い場所にパドックを確保する事が出来た。
今回参加台数は107台。シリーズ最多ではなかろうか。こんな道南まではるばる釧路からやってくる人もいた。
P7110387.jpg
P7110389.jpg

受け付け車検を終えるとバイクは舗装路の上に3列づつ縦に並べられた。北海道XCシリーズは横一列の一斉スタートだがここはそんな広い場所を確保できないので1台づつ10秒おきスタートということだ。
近辺を下見すると「川渡り」があった。雨が続いていたが幸い水量は多くは無く、深くて膝くらいか。
しかし川底には石がゴロゴロしているので転ぶと水没の可能性はある。

9時15分に赤ゼッケンからスタート。僕はAクラスのほぼ一番後ろに並んでいたので彼らが走り出す姿は見えないが、そのエンジン音を聞くだけで緊張してくる。
そして僕もスタートした。最初は舗装路を走り、ほんの少しグリップが良い草地を走ってまた舗装路に戻る。
普段使われていない道だしモトクロスタイヤなので気を抜くと簡単に転んでしまう。
そして砂利の林道に入っていった。
「う、狭い!」
このコースは3年間使われていなかった上に夏の草が道の両側から張り出すように生い茂りコース幅はバイク1台分。しかもギャップそのまま残っていてまったくペースが上がらない。
クネクネとしたギャップだらけのコースは一気に体力を消耗させる。そして後ろに誰かが追いついてきた。
確か僕の後ろからスタートしたライダーは木古内STDEでクラス優勝したライダーのはず。追いつかれて当然だがラインを譲ろうにもコースが狭すぎて避けることも出来ない。
IMG_0459_jpg.jpg

はあはあ、たまらんなあ。ちょっと大きなコーナーでラインを譲ると彼はスルリと抜いていった。そしてどんどん離れていった。
長い。まだこのクネクネは続くのか。今度は後ろからパリンパリンというちょっとサイレンサーがくたびれた2ストの音がした。そして躊躇することなく彼はサラリと抜いていった。さと兄さんだ。このコースをよく飛ばせるなあ。
遅いライダーに追いついたが抜くにも抜けない。コースは下りになってきた。
4台が連なってどんどんと下っていく。どこまで下るんだ?この先が「日本一の下り」か?
4台がまるで地獄に吸い込まれていくような錯覚を覚える。さらに下りがきつくなった。しかも砂。
フロントに荷重が掛かっているので下手すると前転しそうだ。と思ったら前を行くバイクが前転した。
横を抜けたら急な左コーナーだ!危うく飛び出しそうになった。うー気が抜けん。
そして現れた。森の中をまるで落ちていくような砂の下りが続く。しかもギャップだらけときた!
先行するさと兄さんは狭いコースにもかかわらず脇の藪を走るがごとく
果敢に追い抜きをかける!やるなあ!
僕は慎重に、慎重に転ばないように後ろについて下っていく。
IMG_1983_jpg.jpg

コース脇には数人の観客の姿があった・・・ような気がする。
そして無事に下りてきたらそこはスタート地点の横だった。ここで半分か。8の字型のコースを横切ると川渡り。雨先生が遅いライダーをその川で強引に抜きに掛かった。しかし失敗して転倒。
すぐにバイクを起こすと思ったら雨先生は僕の目の前でそのままズブズブと水没してしまった。ありゃりゃ。
雨先生にラインを塞がれた僕はバイクを降り、確実に押して川を渡った。
そしてコースは砂から砂利の林道に変わった。しかし荒れ荒れのギャップは相変わらずだ。
ポヨンポヨンとタイヤが路面を離れている時間の方が長いんじゃないか?
一山登ってまた降りてきた。突然現れるヌタ場。結構柔らかい。レースが進んでくると轍が深くなってハマりそうだ。
そしてさっきの川に戻ってきた。今度は渡りやすい。
目の前は本部だった。出走前に取り付けられたカードにパンチをもらう。
「はあー!これで1周か!」なんてコースだ。まったくスピードが出せないし、抜き所もない。ただただ延々と続くギャップ地獄・・・・。「辛い・・・」
さっきからぴったりと僕の後ろを走っていた2ストのバイクが舗装路区間で抜いていった。
「青ゼッケン、もう来た!」時間差で後ろからスタートしたBクラスに早々に抜かれ、そして見えなくなった。
普通だったらボチボチ遅いライダーに追いついてもいい頃だけど今回はペースが同じくらいなのか孤独に走行する時間が長い。
「お!前方に忍者さん発見!」いっちょバトルをするか!と思ったが何か変だ。
抜きざまに「おーい」と声をかけても彼はこちらに反応する訳でもなく淡々と走行を続けていた。

クネクネクネクネとしたウッズを走りながらバイクが変なことに気が付いた。
加速がまったくアクセルについてこない。後輪が流れてもそれが止まらない。CRFお得意のキビキビした走りが出来ないのだ。なんでだろう?
まるでマディの時にリヤタイヤに泥がてんこ盛りになった状態のような・・・!ハッと気が付いた。
前回の夕張のレースで前後タイヤをパンクさせてしまったので今回はスーパーヘビーチューブを入れてきたのだ。そのチューブのゴムの厚みは普通のヘビーチューブよりかなり厚く、確かにパンクの可能性はかなり低くなった。しかしその重量はハンパなかった。
リヤのヘビーチューブ1.1キロ。スーパーヘビーチューブなんと1.8キロ!
バネ下の重量増加がこんなにも走りに影響するなんて!
いうことを聞かないバイクと苦手なコース。モチベーションは下がりっぱなしだ。
また後ろから2ストの音が迫ってきて、スルッと抜いていった。
バイクを見るとKTM。うお!猫社長!待て!
グワッとアクセル開けて慌てて追いかけると彼も全力で逃げた。
狭いコースだがあのハイパワー2ストニーゴーをヒラリヒラリを操ってじりじりと離れていく。
「やるなあ・・・」と思ったら突然右の草薮に突入していった!
藪の隙間からちょいと見える彼に「大丈夫~?」と声をかけたら「うおーい」と元気な声が返ってきた。
元気あり過ぎww 
これで離れたなと思ったら「日本一の下り」を終え、川渡りに来る頃にはもう追いついてきた。
10Hxc4211.jpg

川を渡りきった所でバランスを崩して倒れたところで猫社長はピュッと抜いて行った。
はあ~。一気に気が抜ける。チンタラ追いかけるがもう音さえ聞こえなかった。
「今日は忍耐のレースだ・・・」なんでこんなにギャップばかりなんだ!せめて直線だけはアクセル開けんと!
 
気が付くと宙を飛んでいた。空と地面が逆さまだった。
次の瞬間脳天にガガゴッ!と衝撃があった。「脳天からって」
しかしエネルギー保存の法則はまだ許してはくれなかった。
次の瞬間首が前方に折れ曲がり、無理矢理前転な格好になって転がっていった。
転がりながら「首は大丈夫か?」と心配したのを覚えている。
痛い。目の前にはCRFが横たわっていた。ゆっくり体を動かすと五体満足なのが分かった。
今まで転倒は数知れないが頭から、しかも脳天からは初めてだな。
バイクを起こさなきゃ・・・後続が来る。
「ごめんな。こんなヘタクソな乗り手で」謝りながらCRFを起こし、コース脇に避けてヘルメットを脱いだ。
はあはあはあ。全身が痛い。手のひらもジンジンする。ちょっと休憩だ。
なんでコケたんだ?ギャップ?石?
後続のライダー達が「あれ!大丈夫か?」という目をして通り過ぎていく。
心配かけないために必死で元気をアピールする。見ていると10メートルくらい手前に斜めギャップがあり時折りそれに弾かれて転びそうになるライダーがいる。あれか・・・
とりあえずピットに戻ろう。その後のことはその時考えよう。
痛む体にムチ打って再び走り出した。死んだようなペースで。
平坦な所はまだいいがギャップで頭が揺れるとまるで首を引っこ抜かれるように痛い。
ファンクラスのライダーが首を傾げながら抜いていく。

やっとピットに戻ってきた。
だんだん首が回らなくなってきた。りお姉さんから氷付きタオルをもらって首を冷やすとスーッと楽になった。
まだ2周しか回っていない。元気が戻ればまた走ろう。
すると城本さんが戻ってきた。彼も負傷したようで右手を押さえている。
そして青森から参戦してきたかねっちさんも肩を負傷して帰ってきた。
ああ、赤ゼッケンのりんちゃんまでケガで戻ってきた。
IMG_3981_jpg.jpg

しばらく他のライダーの走りを見ていたがみんな辛そうだ。
時間が経つにつれだんだんと再スタートしようという気持ちが萎んでいくのが分かった。リタイヤしよう。
バイクに戻り、周回カードを取り外した。これを本部に出せばそれでリタイヤだ。同じくリタイヤする城本さんのYZが隣にあった。ついでに一緒に出してこようかと思ったが、こういう大事なことは本人がやらねば、と彼のカードを外すのを止めた。
「リタイヤします」そう言って本部に提出した。これで僕のレースはあっけなく終わってしまった。
リタイヤか。今まで殆どのレースでしぶとく走ってはなんとか完走だけはしてきたが、思い出すのに時間が掛かるくらい久しぶりのリタイヤだ。
あれは20年くらい前の九州でのレースだった。ゴンドーシャロレー牧場で行われたスズキの3Hレースだった。
晴れ続きでホコリで何も見えない。下りを勢い良く飛ばしていたらそのホコリの中から大きな切り株がゴロンと現れたのだ。そのまま前方宙返りして背中から着地。痛くてしばらく立てなかった。
マーシャルからバイクを起こしてもらい、エンジンをかけて死ぬ思いで帰ってきた。翌日病院に行くと背骨の一部がポキポキと折れていた。そして膝十字靭帯損傷のオマケ付き。
幸い完治し今も元気にバイクに乗っていられる。
IMG_2280_jpg.jpg

レース時間は半分を過ぎた。
ピットインしたライダーがハアハアいいながらガソリンを補給し、またバイクに跨り再スタートしていく。
バイクを止めればケガしたりこんな痛い思いや苦しい思いをしなくてもいいのに。
それでも止められないのはバイクにそれだけ魅力があるということだろう。
苦しそうな顔をしながらも周回を続けるライダー達を見ながらそう考えていた。

一部の元気な赤ゼッケンがピット横の舗装路をウィリーで走り去る。
川渡り箇所で見ていると遠くでチビ番ちゃんが川を渡ろうとしていた。
川は濁り、川底には見えない石がゴロゴロしている。いつ転んでもおかしくはない。
ハラハラと見ていたら彼女はバイクを降り、確実に押して川を渡った。
その冷静な状況判断、適応力の上達振りに僕はジーンとしてしまった。彼女の背中に「頑張れ」と念を送った。
IMG_2358_jpg.jpg

そしてレース終了時間が迫ってきた。時間内に戻ればもう1周行ける。
もう終わりかと帰ってきたライダーが後1周行かなきゃならないのを知り、ガックリとうなだれて走り出す。
あと15分。忍者さんが戻ってきた。
「もう1周行けー!」周りから大きな声援が飛び、渋々走り出した。「もう終了~」の気持ちだっただろうからその落胆振りは想像に難くない。
残り10分。チビ番ちゃんのセローが戻ってきた。
普通の男のラップタイムは1周約30~40分。彼女のラップタイムは1周約1時間。
「どうする?ここで止めてもいいよ」と周りからの悪魔の囁きが聞こえる。
ちょっと考えて、しかし彼女は4周目に入っていった。
残り5分で雨先生も最後の周に入っていった。

そして3時間が過ぎ、次々とチェッカーを受けてライダー達が帰ってくる。
よくみんな辛いコースを3時間も走ったなあ。
427781601280362330.jpg
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殆どのライダーがゴールするとパドックはエンジン音も途絶え、静かになった。
だがまだレースは終わっていない。数人のライダーがまだ走っているのだ。そう、彼女も。
コース閉鎖になり撤収作業が始まった。
そしてチェッカーから40分ほど経っただろうか、チビ番ちゃんが歩いてパドックに帰ってくるのが見えた。
あれ?帰ってくるのが早すぎる・・・?
まっつさんが彼女を見守るように静かにセローを押していた。
彼女はヘルメットは被ったままでうつむいている。
パドックに戻ってきて女子たちに「頑張ったねー!」と声を掛けられても無言でうつむいたままだ。
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泣いてるのか?ようやくヘルメットを脱ぐとそれまで必死に堪えていたものが一気に噴出し、ほみちゃんの胸で声を上げて泣き始めた。それにつられてほみちゃんももらい泣きし始めた。
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我々男共はそっとそこから離れた。


彼女は最後の周に入ったはいいが、疲れている上に他に誰も走っておらず寂しくて泣きそうになりながら走っていたそうだ。
下りで転倒。もう倒れたセローを起こすことも出来ないほど彼女は疲れていた。そして後ろからスイーパーの聖治さんが来てバイクを起こしてもらった。
「どうする?ここでリタイヤするなら近道を通ってパドックに帰れるけど?」
そして彼女はリタイヤを選択した。その悔しさで彼女は泣いていた。

片付けが済み表彰式はグリーンピア大沼のジンギスカンハウスで行われた。
隣のテーブルではたくさんの肉を目の前にしてスタッフが最後の集計が続けている。
山盛りのジンギスカン。うまい。ビールが欲しいところだが首を痛めているので今日は自粛。
優勝は#1高橋政人。さすがキングはスゴイ!
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みなさんお疲れ様でした。


帰る頃には僕の首はまったく回らなくなり、まるでロボットのような動きで失笑を誘ったww


今回の写真は
enduro days さん
RUNARUNA WORKS さん
大森さん
からお借りしました。


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| エンデューロ | 19:39 | comments:2 | trackbacks(-) | TOP↑

COMMENT

>やぶメカさん
お久しぶりです。
首はもう大丈夫です。んで日曜日は夕張でレースです。
こちらは本州のサーキットエンデューロとは違って
山を丸ごと使ったような豪快なコースが多いです。
来月は林道を使った1周60キロの恵庭エンデューロがあります。

本州で家から10分で走れるとはスゴイですね!
今は家から5分で山です♪(どんだけ田舎)

| エゾもっこす(管理人) | 2010/08/20 12:45 | URL | ≫ EDIT

お疲れ様でした。
その後、首は大丈夫でしょうか?(私は、レースは最近してませんが、それでも安全のため最近リアットをつけ出しました)

北海道のレースは、やっぱりハードで、でもローケーションがよくていいですね。

こちらでも似たようなロケーションは作れるのですが、レースまでは無理ですね~。ただ、自宅から10分で走れるエリアがあるのは、すごく助かってます。

| やぶメカ | 2010/08/19 13:05 | URL | ≫ EDIT















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