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サバイバル2Daysエンデューロ in 木古内 参戦レポート 3

2日目

夜中に雨が車の屋根を打つ音で目が覚めた。雨か・・・。
結構激しい。これで今日の地獄は決定だ。
押すのか・・・?ハマるのか・・・?オーバーヒートしなきゃいいけど・・・。不安ばかりが湧き上がってくる。今はとにかく寝よう。

朝4時頃目が覚めた。もう明るかった。小雨が降っている。
パンを食べて時間を潰し、5時半前に会場に向かった。
ピットに着くと同時にsasaki君もやって来た。不思議な旅館での2泊目はどうだったんだろう。
テント下に工具を並べてピット作業の準備をする。周りのテントも慌しくなった。
7時にマシン解除。みんな一斉に自分のバイクをピットに押していく。僕もCRFをテント下に入れてタイヤ交換を始めた。
このレースでは2日目に30分間のピット作業が認められている。というか整備できるのはこの30分間だけなのだ。しかも作業できるのはライダー本人のみ!整備能力も試されるのだ(ガソリン入れたりゼッケン拭いたりは他の人も出来る)。
昨日2周走っただけなのにタイヤは信じられないくらいに磨り減っていた。今日このタイヤのままだったら坂も満足に登らないだろう。新しいタイヤに祈りを込めてホイールに組み付けた。
そして各部点検、増し締め、給油。去年の日高は15分しか整備時間が無かったのでリヤタイヤ交換だけで終わってしまったが、それに比べると30分はかなり余裕がある。
30分経ったところでエンジン暖気OKのアナウンスがあった。各テントでエンジンがかかる。CRFはキック一発でかかった。快調そのものだ。あとはライダー次第・・・。
暖気が終わったらバイクをスタート位置に整列だ。昨日と同じように5台づつ、1分間隔のスタートだ。僕のスタートは8時15分。昨日の成績は122台中80位だった。
P6210086.jpg

目の前にはたくさんのバイクが並んでいる。周りは黄色ゼッケンばかりなのになぜか赤ゼッケンの阿部さんのバイクが同じ列にあった。何かトラブルでもあったのだろうか。
彼と赤ゼッケンのWR250Fが放つ、近寄りがたいオーラが凄い。彼より前にスタートする黄色ゼッケンや黒ゼッケンの人達は気が気ではないだろう。

ライダースミーティングで今日のレースは5時間で4周と発表があった。「マジかよ」という空気がライダー達の間に広がった。

http://stde.bestup.net/
ライダースミーティング

「雨降りましたからね。サバイバルなレースになると思います」とニコニコしながらいう大森さんはこの状況を喜んでいるようだ。

8時に1組目がスタート。今日も藤原さんがスタートで飛び出した。次々とスタートしていく。エンジンが冷えているのかスンナリかからないバイクも多数。

http://stde.bestup.net/
09stde509.jpg

そして僕らの組になった。旗が振られたと同時にセルボタンを押すと一瞬でエンジンがかかった。ポンと一番先に飛び出すことが出来た。「ヤベ!阿部さんの前に出ちゃった!コロサレル・・・」と思った矢先に左からズバッと抜かれた。

http://stde.bestup.net/
09stde510.jpg

ホッとして追いかけるも当然追いつくはずもなく、あっという間に彼は見えなくなった。
今日は昨日とは反対回り。昨日の後半ヌタヌタだった坂は今日は前半にやって来る。林道から右折して作業道に入っていった。あれ?赤ゼッケンの大森さんだ。エンジンがかからないみたいで、バイクの調子が悪そうだ。
突然始まるヌタヌタ。そして急な登り。やっぱりかー。転んだら再スタートが大変そうだから慎重に走る。ヌタヌタはアクセル開け開けで行った方がいいのは分かっているのだが轍を見た途端に閉じ閉じになってしまう自分がいる。右手も開けようか閉じようか悩んでいるのでかなり走りがギクシャクしている。結局足をバタバタしながら何とか鉄塔下まで登ることが出来た。ハアハアハア。
この鉄塔下のヌルヌルの登りでバイク半分コースアウトしている阿部さん発見!ありゃりゃ阿部さんも転ぶんだ。
ヌルヌルの作業道は時にヌタヌタに変わる。突然バイクが重たくなってくる。バイクの進路も定まらない。轍もまるでナイフで切ったかのようにスッパリと刻まれている。ヌタヌタのコースを登ったり下ったりしながら何とか進んでいくと下った直後に水溜りがあり、そして急な登りが控えていた。
深い轍。ここはヤバイ。何とかクリアするもまた難所が。
右に曲がりながら急坂を登らなくてはならない。手前で轍のラインを確認してGO!何とか押して登ることが出来た。そこからはやっと林道になった。「地獄の前半だな・・・」

それまでのストレスを発散するかのように快調に走る。するとコースは突然右折し、いきなりのヌタ登り。幸い長くはなかったが、それからヌタヌタの轍が延々と続いた。足をバタバタしながら、クラッチをチョンチョンと繋ぎながら(切りながらじゃない)ユルユルと進んでいく。ハアハア、ゆっくり走っていても息が切れる。パスンとエンストすると周りはシーンとしていて遠くに鳥のさえずりが聞こえる。ん?今レース中だよな?エンジンかけて再スタート。
やっと林道に戻ってきた。やっぱ林道が走りエエわ~!朝は重い曇り空だったがだんだんと空が明るくなってきた。またヌルヌルの作業道に入った。昨日崖落ちしそうになった場所は路肩が大きく抉れていた。ヘタするとまた落ちそうだ。
そして川をザンブザンブと渡って会場に戻ってきた。やっと1周か!
「くぅー、時間かかったー」
「sasaki君も同じこと言ってたよ。そしてさっき出て行った」
やっぱりみんな苦労してるんだな。
時間を見るともうすぐ10時。1時間半が経っていた。昨日は1周1時間ちょっとだったのに。
5分の休憩はあっという間で、ガソリン補給して、人間にも栄養補給したらもうスタートだ。2周目突入。
2周目はもうかなりコースは荒れていた。轍はさらに深くなり、ヘタをするとステップが引っかかってタイヤが浮いてしまう。無理にタイヤを空転させるとどんどんハマっていく・・・。轍で自立したバイクを引き上げようとしてもヌタヌタの路面は足の踏ん張りが効かず、ただただライダーの体力を消耗させていく。轍の中でも穴や石があったりして前進できなくなってしまう。そんなライダーの後ろについてしまった時にはもうバイクを降りて、その前のバイクを引っ張るしかない。轍クリアの共同作業だ。レース中だが、そうでもしなければ前に進むことが出来ない。

1周目でヤバかった登りにやって来た。手前の水溜りに1台のバイクがスタックしている。その前輪付近に黒いものがモソモソと動いていた。
ん?まさか熊?よく見ると全身泥だらけのマーシャルさん!!必死にスタックしたバイクを引っ張り上げようとしている!お疲れ様です!登りでハマったが何とか脱出に成功した。ふいー!
そしてヌタヌタ終了直前の登りに来た。2本ある轍のうち、アウト側はハマりそうだな~。轍の途中でハマっているバイクがいたので下で様子を見ていたところに赤ゼッケンの藤田さんがやって来て、そのままの勢いでアウト側を登っていく。しかし途中で轍の中の段差にハマってしまった。
赤ゼッケンもハマるのか~。恐ろしいほどWRのエンジンを吹かして脱出を試みるが、リヤタイヤは空回りするだけでまったく進んでいない。
そこへumiちゃん他、数人のマーシャルが救出に来た。みんな必死の形相でバイクを引っ張り上げようとするが轍はしっかりとWRを捉えて離さない。テールピースが無くなっているサイレンサーからの強烈な咆哮が山に響く。やっとのことで脱出するとマーシャル達はコース脇にハアハアとへたり込んでしまった。Umiちゃんが同じように轍にハマっている僕に気づくと、死にそうな顔をして「ちょ、ちょっと・・・、休ませて・・・・」
幸い僕は1人のマーシャルの手助けで脱出することが出来た。

enduro days さんより
IMG_0645_jpg.jpg

難所を過ぎれば安心して走ることが出来る。ハアハアいいながら走っているがもうハマりポイントがないというだけでニコニコなのだ。赤ゼッケンがズバズバ抜いていく。轍だらけのヌタヌタ路面をステップに立ったままスイスイと走っている。うまいな~。あれが出来ればなあ。試してみるも、ステップに立つことさえ出来ない。

いつの間にか青空が広がり峠の上からは遠くの山々が良く見えた。こんな山深い所を走っているのか~。青い空と新緑が美しかった。
「晴れた」と一言つぶやくと急に楽しくなってきた。こんな素晴らしいところでレースができるなんて木古内、スゴイじゃないか!しかしこの天気の回復が更なる地獄を招くとは、浮かれている僕にはまだ分からなかった。
深砂利の林道で雨森先生がヘルメットを脱いで歩いていた。あら?バイク壊れたの?大丈夫そうだ。
気温が上がってきた。ヌルヌルの路面からは水蒸気が上がっていてどんどん乾いてくる。

enduro days さんより
IMG_0640_jpg.jpg

やっと2周目から帰ってきた。長かった。たった2周なのにもう3時間を過ぎていた。
4周を5時間で?もう絶対無理だ。しかしなんとか最後まで、時間切れになるまで走りたい。そう思いつつ3周目に入った。
コースの荒れ方、轍の掘れ方は1周目の比ではなかった。しかも路面が乾いてきたので粘土質の泥がバイクにまとわり付く。前後タイヤはすでに泥バルーン状態。倒れたバイクを起こすのもえらく重い。あっちフラフラこっちフラフラ、足をバタバタしながらゆっくりと進んでいく。登り坂が現れる度にエンジン音が聞こえる。あちこちにバイクがハマっている。もうみんなフラフラだ。
だんだんとあの急坂が近づいてきた。ブァーンブァーンとエンジンを吹かす音が聞こえてくる。頼む、すんなり行かせてくれと願うが木古内はそんなに甘くはなかった。
ああ、そしてそこには地獄の光景が広がっていた。

急坂に差し掛かる手前の下り坂でもう10人くらいが並んでいた。下りきった水溜りでKXが車体の半分を泥の中に沈めている。周辺には登りの順番待ちが10台近くいる。そして肝心の急坂では3本の深い轍に3台以上のバイクがハマっていた。もう完全にリヤタイヤは浮いていて、ただただ後ろに泥を飛ばしているだけだった。マーシャルも数人がかりで引っ張り上げようとしているがバイクはまったく進もうとしない。薄暗い森のヌタ場に30人近いライダーが行き場を失って右往左往していた。
2ストの煙。悲鳴にも似たエンジン音。泥だらけのライダー達。異様な光景だ。
水溜りの手前まで降りて歩いて状況確認。すると目の前にフッキーさんがいる。そしてカシラさんにともしーも。チームモトバレーゼの全員が揃っていた。もう長いこと停滞しているらしい。フッキーさんは2周目だと聞いて驚いた。このハードなコース、腕だけではなく体力も必要なのに。
さすが北海道エンデューロ界のマドンナ。
坂の右側に倒木だらけの小さな沢の跡があった。そこにバイクが進んでいく。見ると途中から5メートルの崖をみんなでワッショイワッショイと引っ張り上げているではないか!いや、担ぎ上げていると言った方が当たっている。そこまでしてそこから逝くか・・・。沢の奥を探検したが行けるようなルートは無かった。
登りの轍に米田さんがハマっていた。エンジン吹かしたり、バイクを前後に揺らしたり、押したりしていたがまったく進まない。残りの轍に引っかかっているライダーはもう登ることを諦めたようだ。坂の左側のルートを探索すると、ちょっと倒木が多いがなんとか行けそうな感じだ。登り坂の上に出ると1番先?に大久保さんが右ルートから担ぎ上げられてコースに戻ってきた。これが後で彼の不幸を呼ぶとは。
左の倒木ルートから赤ゼッケンの藤原さんが登ってきた。やっぱりそのルートで行けるのか!倒木に少々苦労していたが無事に抜けていった。
轍の米田さんはまだ諦めていなかった。エンジンが壊れるかと思うくらいに吹かしまくり、少しづつ前進しているではないか!そして彼は脱出に成功した。すげー!
その下の真ん中の轍には世界の伊藤さんがハマっていた。
「ダメですか~」
「エンジンおかしくなっちゃって。もうクラッチも遊びが無くなってパンパン」
のん気に話しかける僕に?と思ったのか
「もう諦めたの?」
「いえいえ、偵察中です」と答えた。

水溜りと言おうか、もう泥の沼にWRも餌食になっていた。ライダーは?
さあ前進せねば!いつの間にか順番待ちの渋滞は無くなっていた。それどころか僕のバイクだけがポツンと残されていた。ゆっくりし過ぎた。左の倒木ルートには数台が挑んでいた。その中にchocoppyさんの姿があった。スゲー。彼女は軽いKTM125の長い足と自分の長い足を使って倒木もスルリと越えて行く。後ろから追いかける僕の方が引っかかってしまう。
彼女が引っかかると「ごめんね、邪魔して」と申し訳なさそうにいう。後続の邪魔にならないか心配するところが女性らしい。だが前進してもらった方が邪魔にならないのだ。
ゆーや君が後ろから上がってきた。彼は同じクラスだがなんと4周目!速い。速すぎる・・・。
倒木に引っかかって倒れた身動き出来ないバイクを乗り越え、引っ張り上げながらやっと坂の上に出た。
「戻って後ろの人手伝わなくていいかな」
「大丈夫。人はたくさんいるから」と言うと安心して走り出した。

ふう、ここは抜けたがあと1箇所最後の登りがある。そして案の定轍でバイクがハマっていた。両足バタバタしながら轍を登っていくとマーシャルがラインを指示してくれる。
「このラインを来て。そして途中からこっちのラインに移って」そ、そんな、難しいです。
なんとかクリアしてやっと林道に出た。
ふいー!やっと難所が終わった。あとは会場まで戻るだけだ。
林道を快調に走っていると中間チェックポイントに着いた。いつも通り「ストップ」のサイン。
そしてゼッケンの確認が済んだら「GO」のサインに変わる・・・・・・・・。変わらない。
「はい、コース閉鎖になりました」
「ええ!時間切れなの?」
「こっちにバイクを止めてください」
突然の終了だった。

もう間に合わないのは分かっていたがせめてこのままゴールまで走って帰りたかった。まさか強制終了されるとは。目の前にはさっき追い抜いていったゆーや君がいた。
彼もかなり悔しそうだ。しかも4周目だったし。コース閉鎖になったばかりだったらしい。
その中間ポイントには5名ほどのスタッフがいた。みんな地元の人だ。
「アイスコーヒー飲みますか」
「はい、頂きます」
ペットボトル入りのコーヒーを頂いたが、いつも以上にうまかった。

バイクが無い雨森先生がいた。
「バイク焼き付いちゃったみたい。ヌタ場でオーバーヒートさせて水が無いのに満開で走って(全開の意味。北海道弁)カツッとエンジンロックしたんだ」とニコニコして話した。
2周目の深砂利林道で見かけた時だな。それからここまで歩いてきたらしい。
次々とバイクが到着し、次々とタイムオーバーを告げられる。みんな悔しそうだ。
カシラさんもフッキーさんもやって来た。アマゾンの社長もやってきた。chocoppyさんもやって来た。
結局10台くらいがその中間ポイントに集まった。みんなレースの緊張から解放されたのか饒舌だ。
タイムオーバーになってしまったが、同じ難所で戦ってきた仲間意識みたいなものが芽生えていた。

30分ほどして団体で会場までショートカットして帰ることになった。
もう飛ばす必要は無い。僕は後ろの方をゆっくりとついていった。
途中サルベージのトラックを追い越した。荷台には3台の動かないバイクと3人のライダーが載っていた。その中に米田さんの姿があった。どうやらあの坂で無理したのかバイクが壊れたらしい。
その顔にはレースが終わった安堵感と悔しさが滲み出ていた。

そして会場に戻ってきた。レースが終わった会場はそれまでのピリピリ感は無く、夏の日差しを浴びて居心地がいい場所に見えた。
タイムカードを返してピットに戻るとみんな川の中にいた。洗車しているらしい。僕もザブザブと川の中に入り、泥だらけのバイクを洗うと心も身体もさっぱりした。
そして表彰式。優勝は高橋政人。ブッチギリの優勝だったらしい。たった1周半でラップされた時は驚いた。ゆーや君は黄色ゼッケン組の中でトップだった。すごいや。
P6210096.jpg

122台出走して、完走は13台。完走率僅か10パーセント。こんなハードなレースは初めてだった。
1日目はコンデションが良くてみんな楽しく完走し、2日目は雨が降って遅いライダーを振るい落とすという、主催者が望んだであろう、その通りのレースになった。
結果は散々だったが、自然豊かな木古内の林道を使った1周45キロもの長いコースを、夢中で走り続けた2日間は本当に楽しかった。
来年も開催されることを願ってやまない。

林道を開拓して素晴らしいコースを造り上げたスタッフのみなさん、
スタックポイントで途切れることなくやってくるバイクをひたすら引っ張り上げてくださったマーシャルの方々。そしてレースを支える木古内のみなさん。
ありがとうございました
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| エンデューロ | 22:21 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

COMMENT

>ゆーや君
確かに速い時間ほど荒れ方は少ないよね。
・・・いや、1周目でも充分荒れてたけど。自分には・・・orz

TSEでは赤ゼッケンに喰らい付いてください!
なんとかゆーや君にラップされないように頑張りますww

| エゾもっこす(管理人) | 2009/07/07 09:38 | URL | ≫ EDIT

いや~、ホントにワダチ地獄でしたね。
俺は2周目入った時には、まだそこまで荒れてはいなくて、運良く早めに脱出することが出来たので…3周目4周目はしんどかった…
今レポート読んで、またあの「コース閉鎖です」の時の悔しさを思い出してしまいました(笑)
くっそ~、TSEで!!

| ゆーや | 2009/07/04 09:23 | URL | ≫ EDIT















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