2009年06月 | ARCHIVE-SELECT | 2009年08月

≫ EDIT

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

| スポンサー広告 | --:-- | comments(-) | trackbacks(-) | TOP↑

≫ EDIT

2009 夕張エンデューロ観戦レポート

追記 夕張エンデューロの写真アップしました。
http://picasaweb.google.co.jp/ezomox

夕張エンデューロを見に行ってきました。

梅雨か?と思えるほど週末になると雨という最近の北海道。夕張EDもしっかり雨でした。
レースは1Dayなので朝5時半頃会場のレースイスキー場に到着。パドックはまだ静かなものでした。なんとか雨は止んでいるけど雲は低くてまた降り出しそう。
昨日の夕方から車検は始まっていましたが、車検を終えてパルクフェルメに保管されていたのは1台だけでした。

僕は今回ライダーではなくプレスということで参加。夕張の公道を使った1周50キロを超えるコースということでCRF250Xを持ってきました。それなりのバイクじゃないとコース移動も出来ません。
ライダーの準備もそろそろ出来たようで車検は急に忙しくなってきました。
公道も走るレースなので保安部品もしっかりチェックされます。
そして合格した車輌はパルクフェルメに保管されます。
車検

スキー場のレストハウスに行ってみると主催者の畑さんやスタッフが忙しく準備を行っていました。
P7260333.jpg

夕張エンデューロはオンタイム制エンデューロです。ライダーそれぞれにスタート時間が決まっていて、途中のタイムコントロールやゴールへの到着時間は決まっています。もしその時間に遅れても、また早く着きすぎてもペナルティがあります。
レースとしての勝負は途中に設けられたテスト区間でのタイムで決まります。
自分の持ち時間をしっかりと把握し、リエゾン(移動区間)は流し、テスト区間は全開で走り、そして時間通りにゴールするという冷静な走りが求められます。
コースの難易度は時間設定で変えることが出来ます。今回はBの時間設定。昨日までの大雨で川渡りがキャンセルされましたがそれでも悪コンデションは必至。決して楽ではないでしょう。

今回Aクラスは5台。3周。Bクラスは13台。2周。設定時間も当然違います。
参加台数18台はちと寂しいですが本格的なヨーロッパスタイルエンデューロを愛する主催者は今年も開催を実現しました。
スタート前

霧に包まれる中、午前7時にAクラスのライダーがスタートしていきました。すぐ目の前に最初のクロステストがあります。入り口でスターターのサインとともにGO!1周目のこのテスト区間は計測はするけどリザルトには反映されないということでした。まあ、準備運動みたいなものですね。
スタート2
スタート3

写真を撮っているとガシャン、ガガガーと転倒する音が。なぬ!と後ろを振り向くと#120番小林「カシラ」選手が崖落ち!
崖落ち

苦労しながらも下までバイクを下ろして再スタートしていきました。
どうやら大丈夫そうです。こんな練習走行みたいなものでも激しく攻めるなんて熱いライダーです。

すべての選手のスタートを見送り僕は他の撮影場所へ移動。同じコースを追いかけても追いつくはずはないので夕張モーターランドにあるクロステスト3へ先回りします。テントの下には4人のスタッフがライダーを待っていました。
CT3.jpg

そこは夕張XCも行われるいつものコース。しかし逆回りで1周10分くらいという結構な長さ。
ライダーが来るまでまだ30分近くあります。オンタイム制は時間が決まっているので来る時間が読めるというのは行動がし易いです。
バイクを置いてコースに分け入ります。雨でグチャグチャな上、かなり溝が掘れています。
遠くからバイクの音が聞こえる。そしてスタートする音!晴れの時と変わらないエンジン音。さすが上級者。
CT.jpg

来た!このコースの名物である「岩盤」を信田選手が軽やかに下っていきます。
「荒れ荒れなのにな・・・」
岩盤
岩盤2
岩盤4

Bクラスの選手はちょっとヒヤヒヤしながら下っていきます。
岩盤6
岩盤5
岩盤7
岩盤8

一通り通過したのでテントに戻るとまだ福田「フッキー」選手が来ないらしい。かなりの腕を持った女性ライダーなのでこれはミスコースだなあとみんなで話していたらハスクバーナWR125の音が聞こえてきました。フッキーさんです。
「間違ったー。1周しちゃったー」
フッキーさん

分岐点で間違えてこのクロステストをスッ飛ばしてそのまま走ってっちゃったようです。
かなりの時間ロスになりました。気を取り直してクロステストにGO!やっぱり全開ですww

次は林道を使ったエンデューロテストへ向かいます。リエゾン区間を通ってそこへ向かうけど・・・これがリエゾン?夕張モーターランドのコースを使ってるじゃん!
ヌタヌタもあればヌルヌルの登りもあるし!すっかり気が緩んでいた僕は簡単にスタック。エスケープルートもなく進むしかありません。押し!押し!押し!ハアハアハア。キャメルバッグ持ってくりゃ良かった。
なんとか難所を抜け、鬱蒼とした林道を走っていくと突然エンデューロテストのテントが現れました。
テントには3人のスタッフがライダーを待っていました。熊さえ出そうな山奥に3人で心細かったのでは。ここはタイムコントロールも兼ねているのでテントは2つありました。
TC&ET

オンタイム制では普通タイムコントロール地点に早めに着いて時間調整するのでもう少しすればトップのライダーが来るみたい。そして通過予定時間の20分くらい前に信田選手がやって来ました。そして次々にAクラスのライダーがやって来ました。時間までは談笑タイムww 
談笑タイム

今回川渡りがキャンセルされたことでかなり時間に余裕があるそうです。走り出す時間が近くなったので僕は林道の奥に歩いて入り彼らが来るのを待ちます。
ん、エンジンが掛けられた。来るぞ!全開音が山にこだまする。目の前を凄いスピードで信田選手が通り過ぎていった。
ET.jpg
ET2.jpg
ET3.jpg
ET4.jpg
あんな走りしてるのにCRF250Xパワーが無くて物足りないの・・・?加速しないでもどかしいの・・・?恐ろしや赤ゼッケン。同じバイクに乗る僕はもうCRFに置いてかれっぱなしなんですけど・・・。
ET7.jpg
ET6.jpg
ET9.jpg
ET5.jpg

Aクラスのバイク5台が通り過ぎたらもう誰も来なくなりました。テントに戻ると次のBクラスが来るのは1時間くらいあとらしい・・・。オンタイム制は時間が読めるけど暇です。仕方がないので本部に戻ることにしました。

パドックに着くと信田選手が戻ってきていました。ん?あれから次のクロステスト走って、リエゾンの長~い林道走ってきたの?ワープしてない?3周目のスタートまで30分以上時間があるそうです。
信田選手

残りのAクラスのライダーも次々と戻ってきました。斉藤「yoshi」選手は時間があるので携帯で2周目終了のブログをアップしてるし。生中継?
斉藤選手

オンタイム制はライダーがいないとサポートするスタッフも暇になります。大挙参加のチームモトバレーゼは大きなパドックにポツンとサポートスタッフ2名が退屈そうにしています。
雨が強く降ったり止んだりして、天気は回復する様子はありません。
IMG_8572.jpg
IMG_8586.jpg

Aクラスの3周目のスタートを撮ったらまた夕張モーターランドへ向かいます。Bクラスの選手達が来る頃です。
おお来た来た!本日最後のクロステストに果敢にアタックしていきます。
スタートとゴールが同じ地点のこのテスト。重たいウェストバッグを置いて走る選手もチラホラ。
IMG_8643.jpg
IMG_8682.jpg
IMG_8685.jpg
IMG_8692.jpg
テストを終了したライダーは無事最後のテストを終えた開放感からかみんなニコニコしています。お疲れ様。あとはリエゾンの林道を通ってゴールに向かうだけです。
どんな林道なんだろう。僕も林道に向かいました。
冷水林道

おお気持ちよくて走りやすい林道だ。山のかなり高い所を走っているけど、ガスがかかって景色が全く見えないのが残念。この林道は一部対面交通になっているのであまり飛ばすわけには行きません。急に開けた所に出ました。目の前にはスキー場のリフト・・・。レースイスキー場の上まで来たようです。ん~晴れていればなあ。
IMG_8716.jpg
IMG_8737.jpg

霧の中からAクラスのライダーが現れました。もうすぐゴールなのでかみんな元気です。そしてスリリングコースの向こうへ消えていきました。
最後僕もスキー場のスリリングコースを下っていきました。
スリリングコース

け、結構な下り坂じゃん!しかもヌルヌル!スリル満点なコースをヒヤヒヤしながら下ると突然ライダーが2人現れました。1人は横たわっています。下りで転倒して足を怪我したようです。
先行したライダーに伝えたということなので僕は先に進みました。
やっと下りてきたと思った時、若きスタッフ達が担架?とともにゾロゾロとコースを登っていくのとすれ違いました。スムースに救出が済めばいいけど。
レストハウス

パドックではライダー達がゴールまでの時間調整をしていました。あと30分以上あります。早くゴールして早く片付けたいところですがこれはオンタイム制エンデューロ。ちゃんと時間を守らなければ今までの苦労が水の泡です。
こんなカワイイ子たちがいるゴールに早く飛び込みたいのをグッと堪えます。
ゴール

そしてやっとゴールの時間が来ました。タイムカードを渡して、レース後車検をして、またパルクフェルメにバイクを保管されます。ライダーのみなさん、マシンプール解除までもうちょっとの辛抱です。
今頃本部では集計でバタバタしていることでしょう。気がつけば手が空いたスタッフは次々と片付けを始めていました。コース上では最後のライダーが通ったらもう片付けに入ります。おそらくコースの各地に散らばったテスト地点でもそうでしょう。

小雨の中16時に表彰式が始まりました。
Aクラスで優勝したのはCRF250X信田選手!もう完全に走りが別格でした。さすが赤ゼッケン。
IMG_8742.jpg
IMG_8750.jpg
IMG_8747.jpg

携帯で生ブログしてた斉藤yoshi選手は3位入賞。初めてのオープンエンデューロ、初めてのオンタイム制にも関わらず冷静に走っていました。
Bクラス優勝は朝1周目の最初のクロステストで崖落ちした小林カシラ選手!スタート早々の転倒は彼に影響を与えることもなく実力を発揮しました。入賞されたみなさんおめでとうございます。
IMG_8757.jpg



「街を出て、街に帰る」公道を使ったオープンエンデューロ。ライダーとしての総合力も試されるレース。大自然の中を1周50キロ強もの長さでレース出来るのは北海道だけではないでしょうか。僕は写真を撮っていて「走りて~!」と何度思ったことか。
オンタイム制オープンエンデューロに興味はあるけどいきなり「日高2Days」はちょっと・・・と思っているアナタ!夕張エンデューロは敷居が低く(でもやさしいレースという訳ではないヨ)オンタイム制エンデューロ入門に最適です!
開催する方はとても大変だけど、こんな貴重なレースがずっと続いていくことを願います。
ライダーのみなさん、スタッフのみなさんお疲れ様でした。また来年!

写真アップしました。
http://picasaweb.google.co.jp/ezomox
スポンサーサイト

| エンデューロ | 12:19 | comments:9 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

北海道XCシリーズ 第4戦 TSE大会 参戦レポート

北海道XCシリーズ第4戦 TSEに参加してきた。

土曜日
土曜の朝に夜勤から帰ってきて支度をして森町へ向かう。天気は・・・雨。
どうして週末になると雨ばっかりなんだ?
久しぶりの高速を快調に走っていたら長万部辺りで土砂降りになった。
やっと八雲に着いてyoshiさんたちと合流。とりあえず夕食の材料を買い込んで、ハーベスター八雲でリッチな昼食。初めて来た。
ハーベスター八雲

女子が喜びそうなお洒落なレストラン。つーとyoshiさんは大食いして喜んでる。

会場に着くと既に数台のトランポがいた。雨はなんとか止んだようなのでバイクを降ろして、歩いてコースの下見。
このコースの名物のモンスターウォールは溝が掘れて荒れているし、下の穴には水が溜まっていた。こんなの登れるもんかww。
モンスターウォール

モンスターウォールの上からコースを見渡すとルートは緑に覆われていてよく見えなかった。草木が生い茂り、狭いコースを更に狭く感じさせていた。
去年の秋に初めて参加した時はフカフカサンドの轍コースにコテンパンにやられた。明日のレースはもっと厳しくなりそうだ。
夜は他チームの人たちと焼肉!バイク好きな仲間達と、素敵な女性達と、食って飲んで、サイコー!
いい加減ビールに飲み疲れたので白ワインを取り出した。これに反応したのはkouさん。これが明日、彼が地獄を見ることになるとは。
僕は夜勤明けということもあり、22時半頃終了。傾斜地のパドックの車中泊は落ち着かない。

日曜日
明るくなってきた。どんよりとした曇り空だが雨は降っていない。どんどんトランポがやって来た。
今回各クラスごとの一斉スタートの為スタート位置が設けられたが、その分パドックが少々窮屈になっている。しかしみんな譲り合ってどうやら全て納まったようだ。
このTSEは人気があるらしく、参加台数は95台。車検が終わった車輌からスタート位置に並べられる。スタートしてすぐに右コーナーがあった。僕はイン側にCRFを停めた。
スタート前2

午前10時に最前列のSAクラスがスタート。大迫力!30秒おいて前の列のAクラスがスタート。うおお、まゆげさんのKTMは前輪が空へ行こうとしているぞ。
そして我々Bクラスのスタート!ん、ちょっと出遅れた!しかしイン側にいたことでスルスルと前に出ることが出来た。3番手。
スタート

そして下りで1台抜いた。本部前で2番手。
畑横のストレートをかっ飛ばす。おお調子エエぞ~!水溜りの泥水をかなり浴びたがそのまま追走!左コーナーが迫る。抜こうと焦ったのかエンストしてしまった。幸いすぐかかったが数台に抜かれた。去年のコースのつもりで走ろうとするがギャップだらけで思うようにいかない。
畑をぐるりと回るといよいよフカフカサンドになった。突然、大波のようなギャップが現れ、バイクは右へ左へ跳ね回る。ヘタに減速しようものならハンドルが切れ込んで即転倒だ。
「やっぱ走りづれー、このコース」今回特に草が伸びているのでなお更走りづらい。
砂の斜面を登ったり下ったりしながら進むと小川に出た。深くはないが昨日の雨の影響か水量が多い。その濁った川底は石ゴロゴロなので気が抜けない。
バシャバシャバシャと川を遡ると途中から左に折れて川を出た。その出口はすでにかなり轍が深い。ん~なんかココ、ヤバイ感じ。
まったく気が抜けないコース。その半分も走っていないのにもうハアハア、フラフラだ。前回以上にアクセルが開いていない。キツイばっかりで全然楽しめる所が無い(ヘタクソの証)。楽しくない。
23435159_org_v1247481920.jpg

砂の長い登りでやたらCRFのエンジン回転が上っている。
「んん?クラッチ滑ってる?」内心これでリタイヤ出来るかと思ったがどうやら勘違いだった。
1周目にしてもう走るの止めたいだなんてなんてヘタレな自分だろう。
ウッズ区間ではまるで歩くようなスピードしか出せない。
「話にならん」自分の不甲斐無さに絶望感を抱きつつモンスターウォール手前に来た。
登れる気がまったくしない。タイムも10秒くらいしか違わないので迷わずエスケープルートを選んだ。しかしそのエスケープルートも穴の底はぬかるんでいるので気は抜けない。
そしてやっと1周して本部前に戻ってきた。
長い。今回やたらと長く感じる。キャメルバッグの水をチューーーと飲んで2周目に突入だ。
今回は周回数ではなく、2時間半のレースだからとにかく走り続けて時間が来ればいいのだと自分に言い聞かせてアクセルを開けた。

2周目の川でヘルメットを脱いだ伊藤さんがいた。力なくバイクの上で佇んでいる。KTMが故障したのだろうか?木古内STDEといい、ついていないなあ。
伊藤さん2
23433271_org_v1247483798.jpg

黒ゼッケンを何度か抜いた。同じ青ゼッケンや白ゼッケンから抜かれた。みんなヘトヘトで走っている。
モンスターウォール手前でまゆげさんに抜かれた。そして前方でモンスターに果敢にアタックするまゆげさんが見えた。
「おお元気がいいなあ」
そして彼は発射したww。
凄すぎる・・・。あっち行かなくて良かった。

3周目の川で赤ゼッケンに抜かれた。ええ!高橋選手もう来たの!2速でボ、ボエボエーと走っている僕の横を3速バシャバシャバシャーちゅう感じで追い抜いていった。凄すぎる・・・。
やたら後輪が振れ始めた。まったくグリップしている感じが無い。
「パンクか・・・?」砂の中にたくさん石が埋もれているこのコースではパンクもありえるだろう。ピットインしてパンク修理したらもう順位なんて論外だな。じゃあ後はチンタラ走るかなんて考えて、停止して後輪を確認してみると、パンクなんてしていなかった。ああ、結局走り続けなければならないのか。
そこにレースを止める理由を探している自分があった。レースは自分の本心が曝け出される。
精一杯頑張ろうとしない、このヘタレな気持ちがレースの成績に表れているのだと思う。そして走りにも表れているのだと思う。そこがBクラス止まりなライダーだと思う。
23442237_org_v1247478422.jpg

前方にまっつさん発見!知り合いを見つけると急に元気が湧いてくる。疲れているはずなのに頑張る、現金な自分がいる。そして疲れを忘れて彼とバトルすることが出来た。

本部前の時計は1時間45分経過。よしピットインだ。
ガソリン補給して水をゴクゴクゴクゴクと飲んでまた走り出す。天気も晴れてきた。と同時に暑くなってきた。
23438203_org_v1247481912.jpg

コースはさらに荒れてきてコース脇に止まっているライダーも多い。赤ゼッケンや黒ゼッケンがバスバス抜いていく。彼らは疲れを知らないのか。
高橋選手がまた抜いていった!2周ラップされた・・・。凄すぎる・・・。
突然後ろから「ハーイ!」と声を掛けられてオレンジ色のバイクに抜かれた。スケテツさんだ。
エライ勢いでかっ飛ばす彼はすぐに見えなくなった。なんで後半であんなに元気なんだ?さすがISDEライダー。
川の出口の脱出で渋滞があった。出口の上でバイクが倒れて狭いコースを塞いでいるようだ。コース脇の草むらを強引に行こうとするスケテツさんがいた。
僕は後ろで渋滞が解消するのを待った。もう無理して行こうとする気は起きなかった。幸い渋滞はすぐに解消された。
23434414_org_v1247481911.jpg

もう何度転倒しただろうか。スピードが出ていないので立ちゴケが多いが疲れた身体ではバイクを起こすのも辛い。狭い下りの途中で転倒車がいた。前にいるバイクは彼が起き上がるのを待っている。その後ろに僕もついて坂の途中で止まった。
早く起きないかなと待っていると、ん?自分の後輪が上ってきたぞ?ええ?
停止状態からそのまま前転。なんじゃこの転倒は。坂なのでバイクも起こしづらい。
数台が踏みつけて抜いていった。その中にカシラさんがいたww。

残り30分。あと2周か。もう少しで終わる。
見晴らしがいいコース脇にXR400が止まっていた。彼はもう1時間以上同じ場所にいる。トラブルだろうか?もうすぐ終わりだからね。
それから2周走って「やったー、これで終わりだー」と喜んで戻ってきたら「ラスト1周」のサインが!
ええ!まだ走らす気か!がっくりときて最後の周回に入った。
今度こそこれで終わりだ!もうアクセル開ける元気も無かった。
川をザブザブと走ると川の出口で大渋滞していた。青ゼッケンが7~8台。これは行けそうにない。
吹き上がるエンジン音。巻き上がる砂砂砂。木古内STDEを思い出した。渋滞で時間切れ、リタイヤ。それはもうレースではなかった。
どんどんと後ろからライダーが来る。後ろから大声で「行け行け!」と怒鳴りながら進んでくる。彼は渋滞待ちしているバイクの横をズイズイと進んできて先頭に出た。他の赤ゼッケンも黒ゼッケンもズイズイと出てくる。そして果敢にアタック。あの勝負に対する貪欲さが必要なのだろう。確かに渋滞の後ろで指を咥えて見ててもライバルは先に行ってしまう。

ちょっと前へ進んだところでまっつさんが後ろからやって来た。アウト側のラインにいた彼はダメと思ったのか「ほりゃ!」とフロントを高々と上げて僕の目の前のラインにやってきた。「やるう~」。
彼が狙うのは草むらライン。それでも轍が深くて難しそう。しかし彼はパワーにもの言わせて抜けていった。僕は彼を手本にし、最初から押して難所を抜けた。「ふい~、もう後は安心だ」
そしてヘロヘロになってやっとゴールに辿り着いた。
終わった~!チェッカーフラッグのうれしかったこと!

もうたくさんのライダーがゴールしていた。バイクを止め、着ているものを脱ぎ捨て、ゴクゴクと水を飲む。渇きが止まらない。
23441912_v1247478433.jpg

レース後、表彰式までの時間を利用してバイク遅乗り大会が行われた。
優勝したのはトライアルもやるマーシャルさんでした。

そして表彰式。もう話にならんと思っていたらなんとかBクラス7位。
うれしいような情けないような複雑な気持ちだ。
何度転倒したか分からない。何度止めようと思ったか分からない。しかし最後まで走り続けたからこそ7位になることが出来たのだ。もし止めていたら自己嫌悪に陥っていただろう。
体力、腕、モチベーション。自分の弱さが曝け出されたレースだった。

入賞されたみなさんお疲れ様でした。
そして試練のレースを開催してくださった主催者のみなさんお疲れ様&ありがとうございました。

今回の写真はRUNARUNA WORKSさんよりお借りしました。ありがとうございます。
るなるな夫妻&伊藤さん



| エンデューロ | 00:38 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

2009 木古内STDE DVD完成らしいです。

2009木古内STDEのDVDが発売された。
今回は完走率10パーセントというハードなレースだったが、そんなレースを遺すべくいくつものビデオカメラがコースに散開していた。
天国だった1日目。そして地獄の2日目。
華麗なトップライダーの走りから、泥でもがく底辺ライダーまでたくさん収録されているはず!←まだ見てない。
木古内に興味がある方、いつかは出ようと思っているライダーは必見です←まだ見てない。
まずはダイジェスト版を見てみよう!




2枚組2000円。メディア代を除いた残りを次の木古内STDEの為に寄付するという熱いDVDです。

お問い合わせは
モト・バレーゼ
TEL 011-833-3330
e-mail info@moto-varese.com
web http://www.moto-varese.com/


宣伝でした。


燃え尽きた木古内。

泥の轍に翻弄されながら必死でゴールを目指した。
しかしハンパなライダーはことごとく泥の中に沈められた。完走率10パーセント。
そんなハードなレースは経験したことが無かった。
はっきり言って木古内のレースは殆ど知らなかった。「日高」の名前の前に霞んでいたのだ。
せっかく去年からレース活動を復活させたので、色んなコースを走りたいというゆるい動機だった。
だがそんなハンパな思いは木古内のコースに通用しなかった。

高速林道あり、ガレ場あり、ヌタヌタあり、そしてホレホレの轍ありのとても変化に富んだコースは、総合力が試された。いくら林道が速くてもヌタ場を走れなければダメなのだ。ヌタ場が良くても川で水没したらダメなのだ。
まさしく「自分が試されるレース」だ。泥で重くなったバイクを押しながら、強くそれを感じた。

でもそんな苦労ばっかりしていたという訳ではなく、木古内の山深い自然の中に走る林道と作業道と、そして新緑が眩しい清流を堪能することも出来た美しいコースだった。
自然を利用した1周50キロ近いレースは日本では北海道以外に考えられないだろう。

そんな24年も行われてきた貴重なレースが存亡の危機にある。
財政難ということで今年は今までの繰越金を使ってやっと開催されたのだ。
今年は122台参加で赤字だった。
来年開催されるかどうか分からない。木古内の火を消してはならないと思う。そう思うたくさんの木古内ファンがいる。レースには出ないけどたくさんの写真やビデオを撮って木古内の魅力を伝えようとする人達もいる。
そんな影のサポーター達の結晶が出来上がった。
2枚組2000円。メディア代を引いた残り全てを来年の木古内の為に寄付するそうだ。

お問い合わせは
モト・バレーゼ
TEL 011-833-3330
e-mail info@moto-varese.com
web http://www.moto-varese.com/

| エンデューロ | 15:10 | comments:0 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

2009 全日本MX 和寒大会 観戦 その1

IMG_7127.jpg

全日本MX 和寒大会に行ってきました。
年に一度の北海道でのモトクロスのお祭りですからね。ええ、土日でみっちり観てきました。
休日ETC割引を使って土曜日の朝に現地着。。やっぱり高速は速いですね。
今までは下道5時間かけて来てました。
会場そばのコンビニで買い物するともう公式練習が始まっていました。
IMG_7044.jpg
コースはこんな感じで山の斜面を登ったり下ったりします。
抜き所が少なく、石が多くて晴れたらホコリがスゴイです。圧巻は中央の豪快な登り!
グワー!と登ってグワー!と下り、またグワー!と登ります。
朝一はコースに水が撒かれているので一部ヌタヌタですが構わず全開です。

#555加藤選手ですね。イケメンです。
IMG_7069.jpg

IA2が終わったら次はIA1クラスの公式練習
新井選手が速いです
IMG_7182.jpg

全開のまま無理矢理曲げようとする成田選手。たまに大股開きをやります。
IMG_7214.jpg

地元北海道の沼田誠司選手。頑張ってください!
IMG_7210.jpg

公式練習が終わったらパドックを覗きに行きます。
ロードレースと違ってモトクロスはワークスマシンやトップライダーと間近に接することが出来ます。

これはブリジストンのテントにあった世界のトップライダー達のサイン入りゼッケン。
なかなか珍しいです。
IMG_7227.jpg

走行が終わったマシンはすぐに洗車&整備され、ピカピカに磨かれます。
IMG_7230.jpg

パドック内を乗る時ははメカニックもヘルメットが必要です。こんなオシャレ好きです。
IMG_7231.jpg

おろ!モトクロッサーにラジエターのリザーブタンク!毎回和寒は30℃超えで暑いですからね。
フレームとシュラウドの隙間にワンオフで作っちゃうのがスゴイですね。
IMG_7233.jpg

パドック内を歩いているとどこからともなくギーコギーコと音がする・・・
ステップのギザギザを研いでました。
IMG_7234.jpg

フロントフォークの玉虫コーティングがキレイです。←正式名称知らない
IMG_7267.jpg

そんでIB2クラスの予選が始まりました。
IMG_7255.jpg

スタート直後のジャンプで多重クラッシュ!エンジンかけようとするライダーだが・・・
IMG_7258.jpg

「マフラーに泥詰まってるぞ!」マーシャルがホジホジして無事かかりました。
IMG_7260.jpg

こんな救護スタッフだったら介抱されたい・・・
IMG_7244.jpg

いよいよ国際A級の予選が始まります。
まずはIA2クラス。
IMG_7277.jpg

#1勝谷選手が速い
IMG_7310.jpg

#36平田優選手も速い
IMG_7373.jpg

#71地元北海道の佐々木雅規選手もガンバレ!
IMG_7383.jpg

続いてIA1クラス
#331新井選手が#1成田選手に先行!
IMG_7399.jpg

大股開くこともなく、乗れてきた#1成田選手
IMG_7391.jpg

#9熱田選手と#5田中タカセ選手が追い上げる!
IMG_7443.jpg
上位数台のバトルは見ものでした。明日の決勝が楽しみです。

レディースクラスの注目は地元北海道#6佐々木奈津美選手。IA2の#71佐々木選手の妹です。
なんとIBクラスにも出てます。
IMG_7468.jpg

IBオープンの予選です。
注目はやはり#56山本選手。この大会でチャンピオンがかかっています。
手堅く予選通過しました。
IMG_7482.jpg

いつもならここで終わりですが、今回は地方選手権併催ということで北海道のNAクラス、NBクラスのレースがあります。予選をやってすぐに決勝レースという地獄のスケジュール。
ライダーは休む暇もありません。
IMG_7524.jpg
IMG_7525.jpg
IMG_7530.jpg

そんでやっと土曜日のスケジュールが終わりました。もう18時です。
早々に予選が終わった国際A級のパドックはすでに片付けモード。
TEのテントに人気者メカニックのヒラポンさんがいました。
IMG_7552.jpg

明日は今日以上に暑くなりそうです。
IMG_7557.jpg


続きます。

| モトクロス | 13:22 | comments:3 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

暑かった週末

全日本MX和寒大会。

和寒も暑かったし、レースも熱かったです。

IMG_8176.jpg
IMG_7915.jpg

月曜日は山登りして暑かったです。
レポートはこれからボチボチアップします。
旭岳


あ!TSEの準備もしなきゃ!

| 未分類 | 10:08 | comments:4 | trackbacks:0 | TOP↑

≫ EDIT

サバイバル2Daysエンデューロ in 木古内 参戦レポート 3

2日目

夜中に雨が車の屋根を打つ音で目が覚めた。雨か・・・。
結構激しい。これで今日の地獄は決定だ。
押すのか・・・?ハマるのか・・・?オーバーヒートしなきゃいいけど・・・。不安ばかりが湧き上がってくる。今はとにかく寝よう。

朝4時頃目が覚めた。もう明るかった。小雨が降っている。
パンを食べて時間を潰し、5時半前に会場に向かった。
ピットに着くと同時にsasaki君もやって来た。不思議な旅館での2泊目はどうだったんだろう。
テント下に工具を並べてピット作業の準備をする。周りのテントも慌しくなった。
7時にマシン解除。みんな一斉に自分のバイクをピットに押していく。僕もCRFをテント下に入れてタイヤ交換を始めた。
このレースでは2日目に30分間のピット作業が認められている。というか整備できるのはこの30分間だけなのだ。しかも作業できるのはライダー本人のみ!整備能力も試されるのだ(ガソリン入れたりゼッケン拭いたりは他の人も出来る)。
昨日2周走っただけなのにタイヤは信じられないくらいに磨り減っていた。今日このタイヤのままだったら坂も満足に登らないだろう。新しいタイヤに祈りを込めてホイールに組み付けた。
そして各部点検、増し締め、給油。去年の日高は15分しか整備時間が無かったのでリヤタイヤ交換だけで終わってしまったが、それに比べると30分はかなり余裕がある。
30分経ったところでエンジン暖気OKのアナウンスがあった。各テントでエンジンがかかる。CRFはキック一発でかかった。快調そのものだ。あとはライダー次第・・・。
暖気が終わったらバイクをスタート位置に整列だ。昨日と同じように5台づつ、1分間隔のスタートだ。僕のスタートは8時15分。昨日の成績は122台中80位だった。
P6210086.jpg

目の前にはたくさんのバイクが並んでいる。周りは黄色ゼッケンばかりなのになぜか赤ゼッケンの阿部さんのバイクが同じ列にあった。何かトラブルでもあったのだろうか。
彼と赤ゼッケンのWR250Fが放つ、近寄りがたいオーラが凄い。彼より前にスタートする黄色ゼッケンや黒ゼッケンの人達は気が気ではないだろう。

ライダースミーティングで今日のレースは5時間で4周と発表があった。「マジかよ」という空気がライダー達の間に広がった。

http://stde.bestup.net/
ライダースミーティング

「雨降りましたからね。サバイバルなレースになると思います」とニコニコしながらいう大森さんはこの状況を喜んでいるようだ。

8時に1組目がスタート。今日も藤原さんがスタートで飛び出した。次々とスタートしていく。エンジンが冷えているのかスンナリかからないバイクも多数。

http://stde.bestup.net/
09stde509.jpg

そして僕らの組になった。旗が振られたと同時にセルボタンを押すと一瞬でエンジンがかかった。ポンと一番先に飛び出すことが出来た。「ヤベ!阿部さんの前に出ちゃった!コロサレル・・・」と思った矢先に左からズバッと抜かれた。

http://stde.bestup.net/
09stde510.jpg

ホッとして追いかけるも当然追いつくはずもなく、あっという間に彼は見えなくなった。
今日は昨日とは反対回り。昨日の後半ヌタヌタだった坂は今日は前半にやって来る。林道から右折して作業道に入っていった。あれ?赤ゼッケンの大森さんだ。エンジンがかからないみたいで、バイクの調子が悪そうだ。
突然始まるヌタヌタ。そして急な登り。やっぱりかー。転んだら再スタートが大変そうだから慎重に走る。ヌタヌタはアクセル開け開けで行った方がいいのは分かっているのだが轍を見た途端に閉じ閉じになってしまう自分がいる。右手も開けようか閉じようか悩んでいるのでかなり走りがギクシャクしている。結局足をバタバタしながら何とか鉄塔下まで登ることが出来た。ハアハアハア。
この鉄塔下のヌルヌルの登りでバイク半分コースアウトしている阿部さん発見!ありゃりゃ阿部さんも転ぶんだ。
ヌルヌルの作業道は時にヌタヌタに変わる。突然バイクが重たくなってくる。バイクの進路も定まらない。轍もまるでナイフで切ったかのようにスッパリと刻まれている。ヌタヌタのコースを登ったり下ったりしながら何とか進んでいくと下った直後に水溜りがあり、そして急な登りが控えていた。
深い轍。ここはヤバイ。何とかクリアするもまた難所が。
右に曲がりながら急坂を登らなくてはならない。手前で轍のラインを確認してGO!何とか押して登ることが出来た。そこからはやっと林道になった。「地獄の前半だな・・・」

それまでのストレスを発散するかのように快調に走る。するとコースは突然右折し、いきなりのヌタ登り。幸い長くはなかったが、それからヌタヌタの轍が延々と続いた。足をバタバタしながら、クラッチをチョンチョンと繋ぎながら(切りながらじゃない)ユルユルと進んでいく。ハアハア、ゆっくり走っていても息が切れる。パスンとエンストすると周りはシーンとしていて遠くに鳥のさえずりが聞こえる。ん?今レース中だよな?エンジンかけて再スタート。
やっと林道に戻ってきた。やっぱ林道が走りエエわ~!朝は重い曇り空だったがだんだんと空が明るくなってきた。またヌルヌルの作業道に入った。昨日崖落ちしそうになった場所は路肩が大きく抉れていた。ヘタするとまた落ちそうだ。
そして川をザンブザンブと渡って会場に戻ってきた。やっと1周か!
「くぅー、時間かかったー」
「sasaki君も同じこと言ってたよ。そしてさっき出て行った」
やっぱりみんな苦労してるんだな。
時間を見るともうすぐ10時。1時間半が経っていた。昨日は1周1時間ちょっとだったのに。
5分の休憩はあっという間で、ガソリン補給して、人間にも栄養補給したらもうスタートだ。2周目突入。
2周目はもうかなりコースは荒れていた。轍はさらに深くなり、ヘタをするとステップが引っかかってタイヤが浮いてしまう。無理にタイヤを空転させるとどんどんハマっていく・・・。轍で自立したバイクを引き上げようとしてもヌタヌタの路面は足の踏ん張りが効かず、ただただライダーの体力を消耗させていく。轍の中でも穴や石があったりして前進できなくなってしまう。そんなライダーの後ろについてしまった時にはもうバイクを降りて、その前のバイクを引っ張るしかない。轍クリアの共同作業だ。レース中だが、そうでもしなければ前に進むことが出来ない。

1周目でヤバかった登りにやって来た。手前の水溜りに1台のバイクがスタックしている。その前輪付近に黒いものがモソモソと動いていた。
ん?まさか熊?よく見ると全身泥だらけのマーシャルさん!!必死にスタックしたバイクを引っ張り上げようとしている!お疲れ様です!登りでハマったが何とか脱出に成功した。ふいー!
そしてヌタヌタ終了直前の登りに来た。2本ある轍のうち、アウト側はハマりそうだな~。轍の途中でハマっているバイクがいたので下で様子を見ていたところに赤ゼッケンの藤田さんがやって来て、そのままの勢いでアウト側を登っていく。しかし途中で轍の中の段差にハマってしまった。
赤ゼッケンもハマるのか~。恐ろしいほどWRのエンジンを吹かして脱出を試みるが、リヤタイヤは空回りするだけでまったく進んでいない。
そこへumiちゃん他、数人のマーシャルが救出に来た。みんな必死の形相でバイクを引っ張り上げようとするが轍はしっかりとWRを捉えて離さない。テールピースが無くなっているサイレンサーからの強烈な咆哮が山に響く。やっとのことで脱出するとマーシャル達はコース脇にハアハアとへたり込んでしまった。Umiちゃんが同じように轍にハマっている僕に気づくと、死にそうな顔をして「ちょ、ちょっと・・・、休ませて・・・・」
幸い僕は1人のマーシャルの手助けで脱出することが出来た。

enduro days さんより
IMG_0645_jpg.jpg

難所を過ぎれば安心して走ることが出来る。ハアハアいいながら走っているがもうハマりポイントがないというだけでニコニコなのだ。赤ゼッケンがズバズバ抜いていく。轍だらけのヌタヌタ路面をステップに立ったままスイスイと走っている。うまいな~。あれが出来ればなあ。試してみるも、ステップに立つことさえ出来ない。

いつの間にか青空が広がり峠の上からは遠くの山々が良く見えた。こんな山深い所を走っているのか~。青い空と新緑が美しかった。
「晴れた」と一言つぶやくと急に楽しくなってきた。こんな素晴らしいところでレースができるなんて木古内、スゴイじゃないか!しかしこの天気の回復が更なる地獄を招くとは、浮かれている僕にはまだ分からなかった。
深砂利の林道で雨森先生がヘルメットを脱いで歩いていた。あら?バイク壊れたの?大丈夫そうだ。
気温が上がってきた。ヌルヌルの路面からは水蒸気が上がっていてどんどん乾いてくる。

enduro days さんより
IMG_0640_jpg.jpg

やっと2周目から帰ってきた。長かった。たった2周なのにもう3時間を過ぎていた。
4周を5時間で?もう絶対無理だ。しかしなんとか最後まで、時間切れになるまで走りたい。そう思いつつ3周目に入った。
コースの荒れ方、轍の掘れ方は1周目の比ではなかった。しかも路面が乾いてきたので粘土質の泥がバイクにまとわり付く。前後タイヤはすでに泥バルーン状態。倒れたバイクを起こすのもえらく重い。あっちフラフラこっちフラフラ、足をバタバタしながらゆっくりと進んでいく。登り坂が現れる度にエンジン音が聞こえる。あちこちにバイクがハマっている。もうみんなフラフラだ。
だんだんとあの急坂が近づいてきた。ブァーンブァーンとエンジンを吹かす音が聞こえてくる。頼む、すんなり行かせてくれと願うが木古内はそんなに甘くはなかった。
ああ、そしてそこには地獄の光景が広がっていた。

急坂に差し掛かる手前の下り坂でもう10人くらいが並んでいた。下りきった水溜りでKXが車体の半分を泥の中に沈めている。周辺には登りの順番待ちが10台近くいる。そして肝心の急坂では3本の深い轍に3台以上のバイクがハマっていた。もう完全にリヤタイヤは浮いていて、ただただ後ろに泥を飛ばしているだけだった。マーシャルも数人がかりで引っ張り上げようとしているがバイクはまったく進もうとしない。薄暗い森のヌタ場に30人近いライダーが行き場を失って右往左往していた。
2ストの煙。悲鳴にも似たエンジン音。泥だらけのライダー達。異様な光景だ。
水溜りの手前まで降りて歩いて状況確認。すると目の前にフッキーさんがいる。そしてカシラさんにともしーも。チームモトバレーゼの全員が揃っていた。もう長いこと停滞しているらしい。フッキーさんは2周目だと聞いて驚いた。このハードなコース、腕だけではなく体力も必要なのに。
さすが北海道エンデューロ界のマドンナ。
坂の右側に倒木だらけの小さな沢の跡があった。そこにバイクが進んでいく。見ると途中から5メートルの崖をみんなでワッショイワッショイと引っ張り上げているではないか!いや、担ぎ上げていると言った方が当たっている。そこまでしてそこから逝くか・・・。沢の奥を探検したが行けるようなルートは無かった。
登りの轍に米田さんがハマっていた。エンジン吹かしたり、バイクを前後に揺らしたり、押したりしていたがまったく進まない。残りの轍に引っかかっているライダーはもう登ることを諦めたようだ。坂の左側のルートを探索すると、ちょっと倒木が多いがなんとか行けそうな感じだ。登り坂の上に出ると1番先?に大久保さんが右ルートから担ぎ上げられてコースに戻ってきた。これが後で彼の不幸を呼ぶとは。
左の倒木ルートから赤ゼッケンの藤原さんが登ってきた。やっぱりそのルートで行けるのか!倒木に少々苦労していたが無事に抜けていった。
轍の米田さんはまだ諦めていなかった。エンジンが壊れるかと思うくらいに吹かしまくり、少しづつ前進しているではないか!そして彼は脱出に成功した。すげー!
その下の真ん中の轍には世界の伊藤さんがハマっていた。
「ダメですか~」
「エンジンおかしくなっちゃって。もうクラッチも遊びが無くなってパンパン」
のん気に話しかける僕に?と思ったのか
「もう諦めたの?」
「いえいえ、偵察中です」と答えた。

水溜りと言おうか、もう泥の沼にWRも餌食になっていた。ライダーは?
さあ前進せねば!いつの間にか順番待ちの渋滞は無くなっていた。それどころか僕のバイクだけがポツンと残されていた。ゆっくりし過ぎた。左の倒木ルートには数台が挑んでいた。その中にchocoppyさんの姿があった。スゲー。彼女は軽いKTM125の長い足と自分の長い足を使って倒木もスルリと越えて行く。後ろから追いかける僕の方が引っかかってしまう。
彼女が引っかかると「ごめんね、邪魔して」と申し訳なさそうにいう。後続の邪魔にならないか心配するところが女性らしい。だが前進してもらった方が邪魔にならないのだ。
ゆーや君が後ろから上がってきた。彼は同じクラスだがなんと4周目!速い。速すぎる・・・。
倒木に引っかかって倒れた身動き出来ないバイクを乗り越え、引っ張り上げながらやっと坂の上に出た。
「戻って後ろの人手伝わなくていいかな」
「大丈夫。人はたくさんいるから」と言うと安心して走り出した。

ふう、ここは抜けたがあと1箇所最後の登りがある。そして案の定轍でバイクがハマっていた。両足バタバタしながら轍を登っていくとマーシャルがラインを指示してくれる。
「このラインを来て。そして途中からこっちのラインに移って」そ、そんな、難しいです。
なんとかクリアしてやっと林道に出た。
ふいー!やっと難所が終わった。あとは会場まで戻るだけだ。
林道を快調に走っていると中間チェックポイントに着いた。いつも通り「ストップ」のサイン。
そしてゼッケンの確認が済んだら「GO」のサインに変わる・・・・・・・・。変わらない。
「はい、コース閉鎖になりました」
「ええ!時間切れなの?」
「こっちにバイクを止めてください」
突然の終了だった。

もう間に合わないのは分かっていたがせめてこのままゴールまで走って帰りたかった。まさか強制終了されるとは。目の前にはさっき追い抜いていったゆーや君がいた。
彼もかなり悔しそうだ。しかも4周目だったし。コース閉鎖になったばかりだったらしい。
その中間ポイントには5名ほどのスタッフがいた。みんな地元の人だ。
「アイスコーヒー飲みますか」
「はい、頂きます」
ペットボトル入りのコーヒーを頂いたが、いつも以上にうまかった。

バイクが無い雨森先生がいた。
「バイク焼き付いちゃったみたい。ヌタ場でオーバーヒートさせて水が無いのに満開で走って(全開の意味。北海道弁)カツッとエンジンロックしたんだ」とニコニコして話した。
2周目の深砂利林道で見かけた時だな。それからここまで歩いてきたらしい。
次々とバイクが到着し、次々とタイムオーバーを告げられる。みんな悔しそうだ。
カシラさんもフッキーさんもやって来た。アマゾンの社長もやってきた。chocoppyさんもやって来た。
結局10台くらいがその中間ポイントに集まった。みんなレースの緊張から解放されたのか饒舌だ。
タイムオーバーになってしまったが、同じ難所で戦ってきた仲間意識みたいなものが芽生えていた。

30分ほどして団体で会場までショートカットして帰ることになった。
もう飛ばす必要は無い。僕は後ろの方をゆっくりとついていった。
途中サルベージのトラックを追い越した。荷台には3台の動かないバイクと3人のライダーが載っていた。その中に米田さんの姿があった。どうやらあの坂で無理したのかバイクが壊れたらしい。
その顔にはレースが終わった安堵感と悔しさが滲み出ていた。

そして会場に戻ってきた。レースが終わった会場はそれまでのピリピリ感は無く、夏の日差しを浴びて居心地がいい場所に見えた。
タイムカードを返してピットに戻るとみんな川の中にいた。洗車しているらしい。僕もザブザブと川の中に入り、泥だらけのバイクを洗うと心も身体もさっぱりした。
そして表彰式。優勝は高橋政人。ブッチギリの優勝だったらしい。たった1周半でラップされた時は驚いた。ゆーや君は黄色ゼッケン組の中でトップだった。すごいや。
P6210096.jpg

122台出走して、完走は13台。完走率僅か10パーセント。こんなハードなレースは初めてだった。
1日目はコンデションが良くてみんな楽しく完走し、2日目は雨が降って遅いライダーを振るい落とすという、主催者が望んだであろう、その通りのレースになった。
結果は散々だったが、自然豊かな木古内の林道を使った1周45キロもの長いコースを、夢中で走り続けた2日間は本当に楽しかった。
来年も開催されることを願ってやまない。

林道を開拓して素晴らしいコースを造り上げたスタッフのみなさん、
スタックポイントで途切れることなくやってくるバイクをひたすら引っ張り上げてくださったマーシャルの方々。そしてレースを支える木古内のみなさん。
ありがとうございました

| エンデューロ | 22:21 | comments:2 | trackbacks:0 | TOP↑

2009年06月 | ARCHIVE-SELECT | 2009年08月

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。