2日目今日も晴れた!そして寒い!今日は受付車検も無いのでレース開始はやたらと早い。
朝一で掲示板を見に行くとなんと全日本レディースと承認クラスのTC-1~TC2までのタイムコントロールがキャンセルになったと書いてあった。じゃあ昨日の1分の遅着は無しになったのか!
晴れた朝は良く冷え込んだ。なので今日は1周目からタイム計測が行われるので冷え切ったエンジンに火を入れたらすぐに全開ということになる。
そんなエンジンにかわいそうな事は出来ないのでみんなスタートしたら20メートルラインを過ぎ、コース脇でしばらくエンジンの暖気をしてからタイムアタックに入っていく。それでも中にはまだボボボボといいながら走っているバイクもいる。

今日の周回数は3周だ。ほぼ午前中に終わるだろう。
天気も良くコースの難所も覚えたし余程失敗しない限り今日もオンタイムで走れるだろう。
走りやすいということは他の人もタイムが上がるだろうからこっちも攻めないと順位が下がってしまうが。
モトクロスコースを攻めていると(当社比)2スト125のパイーン!という音が響く。近藤香織選手だ。
彼女はモトクロスコースでめっちゃ速い全日本レディースのライダーだ。実際、モトクロスコースが半分を占めるクロステストのタイムは僕とあまり変わらない。いやいやそんな簡単に負けられんし!
YZ125の音に追い立てられるように飛ばす。
しかし彼女は山の中のルートはかなり苦手らしくよく前方で止まっている。大体難所に引っ掛かってるので抜こうにも抜けない。やっとこさ抜いてもタイムチェックでまた彼女が先に出る。オンタイムの宿命w
うーん。まあ各タイムチェックで7~8分の余裕があるからいいか。
これと対照的なのがフッキーさんだ。
彼女は(彼と言った方がいいかもしれないw)ジャンプが怖くて飛べないのでモトクロスコースみたいな所は苦手としているが、山の中のルートの走行は速い、と言おうか強い。
新型ハスクバーナTE125との相性も良いのだろうが難所もそつなく走り、止らない。難所があってもブイブイっ!と吹かしてクリアしていく。普段元気村の超絶ゲロコースを走っているので菅生や日高!の難所も難所で無いらしい。そして体格もガッチリしてきたw
一番驚いたのが元気村の新ルートを案内してもらった時だ。
前方に道を通せんぼするかのように50センチの高さに浮いた倒木があった。みんなのようにフロントアップして越えようとしたが上手くいかない。彼女はおもむろにハスクを丸太の手前側に横付けにした。
ああ、丸太に足を着いてフローティングターンするんだなと思ったら、彼女はエンジンを切り、燃料コックをOFFにして丸太の反対側に回り、そして力任せにバイクを丸太の上に引き摺り上げた!
ええ!そんな発想無かった!こいつバケモンや!と周りのみんなが思ったに違いない。
手伝おうとしたが「いいからいいから」とニコニコとしてバイクを抱え、そして丸太を越えていった・・・ 無敵じゃ。
ちょっと話が逸れたw 菅生の話だった。
余裕があるとはいうもののやっぱりポカミスは無くならない。
下りの入り口で前のライダーを抜こうとしてラインを変えたら予想以上に荒れていて前転!フロントフェンダー割れた・・・
菅生は周回数も多く長いなと思っていたがようやく終わりが見えてきた。ルートででぶでぶが追いついてきた。
今回彼の頑張りは凄いな~。最後の周をしみじみと走っていたら楽しそうに抜いていった。
そしてプレフィニッシュを過ぎてワークタイム。もう残るはファイナルクロスだけだ。
ふみねこさんもオンタイムで完走だ

ゴールには美女が待っていたw

各部のチェックと、タイヤの空気圧を0.4キロから0.6キロまで上げた。
ベストコンデションのモトクロスコースを走るにはさすがに0.4キロじゃタイヤがよれるからね。
そしてちょっと早めにゴールしてバイクをパルクフェルメに入れた。

今回楽さんが初めてちゃんと完走して、正式にファイナルクロスを走れるのでみんなが「おめでとう」「良かったね~」と祝福していた。相変わらずの人気者ですね。

ファイナルクロスまでちょっと時間があるのでみんな「牛タン弁当」の列に並んでいる。みんな牛タン好きね~。


そろそろ時間だ。
僕は「日高の黄色いTシャツ」を着て準備を終えるとなんと日高に関係がある人たちみんなが黄色いTシャツを着ていた。
事前の打ち合わせも全くしていないのに。
僕もそうだがみんな日高が好きなんだなと一人ウルウル来てしまった。

そして下のクラスからファイナルクロスが始まった。彼らの走る音を聞きながらパルクフェルメに入り出番を待つ。
彼らのレースが終わると成績順に名前を呼ばれる。そして自分の好きなスタート位置を選ぶのだ。
僕のバイクは非力な125。第一コーナーにはちょっとアウト側からスピードを乗せて突っ込もうかと思ったが、スタートラインはコース脇の杉の木で日陰が出来ていてアウト側から2/3の土が湿ったままだった。迷うことなくイン側を選ぶ。
菅生のファイナルクロスはスターティングマシンを使った本格的なものだ。
僕はスターティングマシンから30センチほど下がった。なるだけ高いスピードでマシンを乗り越えた方がいいからだ。
右横に白ハスクFE250が来た。しかも僕以上に後ろに下がっている。ひー速そう!その横にはでぶでぶのKTM250EXCが来た。
2ストニーゴーか・・ 第一コーナーがやけに遠くに見えた。

写真/るいタン
5秒前のサインボードが出てエンジン音が一気に上がる。
スターティングマシンを凝視!ガシャン!とバーが落ちる!
反応は良かった。スルリとスターティングマシンを越えたところで両脇を気にしたが、あれ?来ない?じゃあ行きますよ!
僕は思いっきり腰を引いて第一コーナー目掛けて加速した。
来るか来るか、来ないぞ来ないぞ。なんとホールショット!
左第一コーナーを抜けて次は右コーナー、そして大坂を駆け上がる。左からFE250が迫る。
このまま全開で大坂を登り切ったら頂上のダブルジャンプをはるかに飛び越すんじゃないのか?まだ飛んだことないのにとビビってややアクセルを緩めたらあっさり抜かれた。やっぱそうだよなw
そこからアクセル開け足しても追いつくはずもなく中途半端なスピードでジャンプを飛び、グシャっと2個目に刺さる。くっ、更に抜かれるか?そこから頑張って2位走行。

トップは目の前にいる。テーブルトップジャンプを越えて右大回りのヨーロピアンコーナーをイン側で回ると追いついた。
次の左コーナーでアウト側から勝負をかけると抜けた!
トップだ!目の前には誰もいない。しかしワンミスすればまた抜かれてしまう。特に後半のフープス入り口はぬかるみと轍があって転びそうになる。フープスの山も大きく、そしてピッチも不均等だ。緊張と腕上がりで口の中がカラカラになる。
しかし第一コーナーを抜ける度に多くの声援を受けるとまた元気が出る!ファイナルクロス最高!
終わりの無いプレッシャーを感じながらアクセルを開け続けた。もう守りの走りなんてしていられない(当社比)。
大坂上のダブルジャンプも毎回飛ぶぜ!


写真/カトちゃん
そしてトップでチェッカーを受けることが出来た!うひょーい!やったぜー!僕は雄叫びを上げた。
ファイナルクロスを走りたくて菅生来たようなもんだ。そしてそのファイナルクロスでトップでゴールすることが出来た。
いや、レースとしてはファイナルクロスの順位じゃなくて単純に所要タイムの問題なのだがやっぱりメチャうれしい!
日高の黄色いTシャツが目立ったなら尚更うれしい。
次は全日本ナショナルクラス、そしてIBクラス、IAクラスのレースと続く。
IAのレースともなると全く次元が違う。エンデューロバイクで有り得ない高さのジャンプにフープスの速度、そしてレブるエンジン音。
写真/るいタンレースが終わるとすぐに片付けだ。夕方のフェリーが待っている。
今回はレース後の車両保管が無かったのでサクサクと済んだ。日が大きく傾いた頃表彰式が始まった。
C-Wクラスの楽さんは両日とも遅着を60分以内に納めて完走し見事優勝!このクラスは彼女しかエントリーしてないけどねw
C-2クラスの塚田さんは3位表彰台だ。フッキーさんは2位に大差を付けての優勝!ともちゃんは無事完走して3位。
そして僕は2位になった。トップのライダーとは3分以上の差があって完全に負けていたが3位との差は8秒もなかった。
8秒なんて簡単にひっくり返る差だ。本当に運が良かった。
B-2クラスのでぶでぶは優勝!前後タイヤ交換したおかげで2分のアドバンテージがあったが、2位との差を15秒残してなんとか振り切ったという感じだ。素晴らしい。
写真/るいタン表彰台からの景色w

表彰式はまだ続いていたが、フェリーの時間が迫っていたのでとろい運転の僕は先に会場を離れた。
渋滞を心配していたが高速が混む前に仙台港に着いた。ちょっと天気が悪くなってきたな。
フェリーの受付を済ませてジャスコで買い物したらもうみんなフェリー乗り場に着いていた。フェリーに乗り込んだらもう安心。

フェリー乗り場近くの陸橋に「ここまで津波が来ました」と書いてあってびびった。
夜になると意外と船が揺れてみんな早々に寝てしまったようだ。

翌朝10時頃苫小牧港に着いた。あっという間に終わったなー。空気の冷たさが現実に引き戻す。
参加ライダーのみなさんお疲れ様でした。
スタッフの方々、楽しいレースをありがとうございました。
リザルト今回優勝して年間ランキング1位をもぎ取る(笑)なんてことは出来なかったが、サプライズが待っていた。